GUGA生成AIパスポート試験|2025年版と2026年版シラバスの違いを徹底比較

GUGA生成AIパスポート試験|2025年版と2026年版シラバスの違いを徹底比較 生成AI
GUGA生成AIパスポート試験|2025年版と2026年版シラバスの違いを徹底比較

はじめに

2026年2月の生成AIパスポート試験から新シラバスに代わるらしい。
今までのシラバスは2025年版。
とりあえず、比較してみることにした。

まとめページ

前回のシラバス比較記事

過去問、問題集

動画

シラバスの在りか

各シラバスは以下から入手

生成AIパスポート|生成AI活用普及協会(GUGA)
生成AIパスポートは、AI初心者のために誕生した、生成AIリスクを予防する資格試験です。AIに関する基礎知識や活用方法に加え、権利侵害をはじめとするリスクの観点を学習できます。

比較結果

大項目中項目2025年版詳細キーワード2026年版詳細キーワード備考
第1章 AI(人工知能)AI(人工知能の定義)AIとはAI(人工知能)AIとはAI(人工知能)
AIとはロボットの区別ダートマス会議AIとはロボットの区別ダートマス会議
AIの研究AIの研究
AIに知能をもたらす仕組み知能をもたらす2つの仕組みルールベース知能をもたらす2つの仕組みルールベース
ルールベースとは機械学習ルールベースとは機械学習
機械学習とは学習済みモデル機械学習とは学習済みモデル
機械学習の手法教師あり学習機械学習の手法教師あり学習
機械学習の考え方教師なし学習機械学習の考え方教師なし学習
人間の脳とニューラルネットワーククラスタリング人間の脳とニューラルネットワーククラスタリング
AIが自ら学習して改善される仕組み次元削減AIが自ら学習して改善される仕組み次元削減
過学習(オーバーフィッティング)強化学習過学習(オーバーフィッティング)強化学習
過学習を避ける手法半教師あり学習過学習を避ける手法半教師あり学習
転移学習ノーフリーランチ定理転移学習ノーフリーランチ定理
ニューロンニューロン
シナプスシナプス
人工ニューロン(ノード)人工ニューロン(ノード)
ニューラルネットワークニューラルネットワーク
ディープラーニングディープラーニング
重み重み
情報の重みづけ情報の重みづけ
過学習過学習
正則化正則化
ドロップアウトドロップアウト
転移学習転移学習
AIの種類AIの4つのレベル特徴量AIの4つのレベル特徴量
弱いAI(ANI)と強いAI(AGI)弱いAI(ANI)弱いAI(ANI)と強いAI(AGI)弱いAI(ANI)
強いAI(AGI)強いAI(AGI)
AIの歴史第一次AIブーム第一次AIブーム第一次AIブーム第一次AIブーム
第二次AIブーム探索第二次AIブーム探索
第三次AIブーム推論第三次AIブーム推論
第二次AIブーム第二次AIブーム
エキスパートシステムエキスパートシステム
AIの冬AIの冬
第三次AIブーム第三次AIブーム
ビッグデータビッグデータ
シンギュラリティ(技術的特異点)シンギュラリティ(技術的特異点)シンギュラリティ(技術的特異点)シンギュラリティ(技術的特異点)シンギュラリティ(技術的特異点)
ヴァーナー・ヴィンジヴァーナー・ヴィンジ
レイ・カーツワイルレイ・カーツワイル
2045年問題2045年問題
AI効果AI効果
第2章 生成AI(ジェネレーティブAI)生成AI(ジェネレーティブAI)とは生成モデルの誕生生成AI(ジェネレーティブAI)生成モデルの誕生生成AI(ジェネレーティブAI)
自己回帰モデルとディープラーニング(深層学習)ボルツマンマシン自己回帰モデルとディープラーニング(深層学習)ボルツマンマシン
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)制約付きボルツマンマシンCNN(畳み込みニューラルネットワーク)制約付きボルツマンマシン
VAE(変分自己符号化器)自己回帰モデルVAE(変分自己符号化器)自己回帰モデル
GAN(敵対的生成ネットワーク)CNN(畳み込みニューラルネットワーク)GAN(敵対的生成ネットワーク)CNN(畳み込みニューラルネットワーク)
RNN(回帰型ニューラルネットワーク)畳み込みRNN(回帰型ニューラルネットワーク)畳み込み
LSTM(長・短期記憶)VAE(変分自己符号化器)LSTM(長・短期記憶)VAE(変分自己符号化器)
TransformerモデルノイズTransformerモデルノイズ
Transformer登場以後の派生モデルの系譜エンコーダTransformer登場以後の派生モデルの系譜エンコーダ
デコーダデコーダ
潜在ベクトル潜在ベクトル
GAN(敵対的生成ネットワーク)GAN(敵対的生成ネットワーク)
生成器生成器
識別器識別器
RNN(回帰型ニューラルネットワーク)RNN(回帰型ニューラルネットワーク)
隠れ層隠れ層
リカレント層リカレント層
シーケンスデータシーケンスデータ
LSTM(長・短期記憶)LSTM(長・短期記憶)
TransformerモデルTransformerモデル
Attention層Attention層
自己注意力(Self-Attention)自己注意力(Self-Attention)
Attention MechanismAttention Mechanism
位置エンコーディング位置エンコーディング
アーキテクチャアーキテクチャ
GPTモデルGPTモデル
Open AIOpen AI
BERTモデルBERTモデル
MLM(Masked Language Model)MLM(Masked Language Model)
NSP(Next Sentence Prediction)NSP(Next Sentence Prediction)
RoBERTaRoBERTa
ALBERT(a Lite BERT)ALBERT(a Lite BERT)
ChatGPTChatGPTとはChatGPTChatGPTとはChatGPT
対話型AIの変換とChatGPTの歴史GPT-1対話型AIの変換とChatGPTの歴史GPT-1
GPT-1自然言語処理(NLP)GPT-1自然言語処理(NLP)
GPT-2GPT-2GPT-2GPT-2
GPT-3パラメータGPT-3GPT-3パラメータGPT-3
GPT-3.5InstructGPTGPT-3.5InstructGPT
GPT-4GPT-3.5GPT-4GPT-3.5
Code InterpreterGPT-4Code InterpreterGPT-4
GPTsデータセットGPTsデータセット
GPT4oRLHF(Reinforcement Learning from Human)GPT4oRLHF(Reinforcement Learning from Human)
アライメント(Alignment)GPT-o1アライメント(Alignment)
ファインチューニングGPT-o3ファインチューニング
ハルシネーション(Hallucination)GPT-o4ハルシネーション(Hallucination)
マルチモーダルGPT-4.1マルチモーダル
Code InterpreterGPT-5Code Interpreter
GPTsOperatorGPTs
GPT4oCodexGPT4o
Image GenerationGPT-o1
GPT-o3
GPT-o4
GPT-4.1
GPT-5
Operator
Codex
Image Generation
Gemini
Claude
Copilot
その他の主要生成AIGeminiGemini
ClaudeClaude
CopilotCopilot
第3章 現在の生成AI(ジェネレーティブAI)の動向生成AIが出来ることと主なサービステキスト生成AI画像のリサイズテキスト生成AI画像のリサイズ
画像生成AI正規化画像生成AI正規化
音楽生成AIデータの水増し(augmentation)音楽生成AIデータの水増し(augmentation)
音声生成AIデータ拡張技術音声生成AIデータ拡張技術
動画生成AIリマスタリング動画生成AIリマスタリング
ユーザーエクスペリエンスユーザーエクスペリエンス
ClaudeClaude
GeminiGemini
SoraSora
Runway Gen-3Runway Gen-3
Luma Dream MachineLuma Dream Machine
自己回帰モデル
Veo3
ディープフェイク(深層偽造)技術ディープフェイクとはディープフェイク(深層偽造)技術ディープフェイクとはディープフェイク(深層偽造)技術
ディープフェイクによる事件偽情報(ディスインフォメーション)ディープフェイクによる事件偽情報(ディスインフォメーション)
RAGRAGとはRAG(Retrieval-Augmented Generation)
RAGの歴史と発展チャンク
RAGの仕組みとメリットベクトル
RAGのユースケースデータベース
AIエージェントAIエージェントとはAIエージェント
AIエージェントとはの仕組みGenSpark
AIエージェントのツール事例Manus
MCPと外部連携Skywork AI
MCP
第4章 情報リテラシー・基本理念とAI社会原則インターネットリテラシーインターネットリテラシーとはインターネットリテラシーインターネットリテラシーとはインターネットリテラシー
テクノロジーの理解テクノロジーの理解
情報リテラシー情報リテラシー
セキュリティとプライバシーセキュリティとプライバシー
デジタル市民権デジタル市民権
セキュリティとプライバシー利用者の興味を引くフィッシング詐欺フィッシング詐欺利用者の興味を引くフィッシング詐欺フィッシング詐欺
悪意のあるQRコードスミッシング悪意のあるQRコードスミッシング
Wi-Fiに潜む罠ヴィッシングWi-Fiに潜む罠ヴィッシング
アップロードサービスに潜む詐欺マルウェアアップロードサービスに潜む詐欺マルウェア
不適切なコンテンツへのWebアクセスアンチウイルスソフトウェア不適切なコンテンツへのWebアクセスアンチウイルスソフトウェア
ソーシャルエンジニアリング攻撃クラウドストレージソーシャルエンジニアリング攻撃クラウドストレージ
プライバシー設定ランサムウェアプライバシー設定ランサムウェア
生成AIの技術的発展に潜む脅威ソーシャルエンジニアリング攻撃生成AIの技術的発展に潜む脅威ソーシャルエンジニアリング攻撃
スピアフィッシングスピアフィッシング
ベイト攻撃ベイト攻撃
ブラックメールブラックメール
プレテキストプレテキスト
個人情報保護の観点個人情報保護法個人情報保護法個人情報保護法個人情報保護法
個人情報の詳細な定義改正個人情報保護法個人情報の詳細な定義改正個人情報保護法
要配慮個人情報個人情報保護委員会要配慮個人情報個人情報保護委員会
機微(センシティブ)情報個人情報取扱事業者機微(センシティブ)情報個人情報取扱事業者
匿名加工情報個人識別符号匿名加工情報個人識別符号
生成AI活用における個人情報の取り扱い要配慮個人情報生成AI活用における個人情報の取り扱い要配慮個人情報
機微(センシティブ)情報機微(センシティブ)情報
匿名加工情報匿名加工情報
マスキングマスキング
制作物に関わる権利知的財産権知的財産権知的財産権知的財産権
生成AI活用における知的財産権著作権生成AI活用における知的財産権著作権
肖像権とパブリシティ権特許権肖像権とパブリシティ権特許権
生成AI活用における肖像権とパブリシティ権商標権生成AI活用における肖像権とパブリシティ権商標権
不正競争防止法意匠権不正競争防止法意匠権
生成AI活用における不正競争防止法肖像権生成AI活用における不正競争防止法肖像権
AI生成物に関する権利パブリシティ権AI生成物に関する権利パブリシティ権
AI生成物に関する事実確認不正競争防止法AI生成物に関する事実確認不正競争防止法
AI生成物が既存の権利を侵害する可能性営業秘密AI生成物が既存の権利を侵害する可能性営業秘密
AI生成物の著作権の所在限定提供データAI生成物の著作権の所在限定提供データ
技術的制限手段技術的制限手段
著作権侵害著作権侵害
名誉棄損名誉棄損
AI生成物AI生成物
AIを取り巻く理念と原則・ガイドラインAI社会の基本理念人間の尊厳が尊重される社会(Dignity)AI社会の基本理念人間の尊厳が尊重される社会(Dignity)
多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会(Diversity&Inclusion)多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会(Diversity&Inclusion)
持続性可能な社会(Sustainability)持続性可能な社会(Sustainability)
AI社会原則人間中心の考え方
プライバシー確保の原則
セキュリティ確保
安全性・公平性
透明性
共通の指針人間中心共通の指針人間中心
安全性安全性
公平性公平性
プライバシー保護プライバシー保護
セキュリティ確保セキュリティ確保
透明性透明性
アカウンタビリティアカウンタビリティ
教育・リテラシー教育・リテラシー
公正競争確保公正競争確保
イノベーションイノベーション
高度なAIシステムに関係する事業者に共通の指針高度なAIシステムに関係する事業者に共通の指針
AIガバナンスの構築環境・リスク分析AIガバナンスの構築環境・リスク分析
AIガバナンス・ゴールAIガバナンス・ゴール
AIマネジメントシステムAIマネジメントシステム
AIの事業活動を担う3つの主体AI開発者(AIDeveloper)AIの事業活動を担う3つの主体AI開発者(AIDeveloper)
AI提供者(AI Provider)AI提供者(AI Provider)
AI利用者(AIBusinessUser)AI利用者(AIBusinessUser)
AI新法AI新法の必要性AI新法
AI新法の基本構造人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律
AI新法の内容
注意すべき具体的なリスク
AI事業者ガイドラインとの関連
第5章 テキスト生成AIのプロンプト制作と実例LMとLLMLM(Language Model : 言語モデル)LMLM(Language Model : 言語モデル)LM
LLM(Large Language Model: 大規模言語モデル)n-gramモデルLLM(Large Language Model: 大規模言語モデル)n-gramモデル
プロンプトエンジニアリングニューラル言語モデルプロンプトエンジニアリングニューラル言語モデル
LLMLLM
プレトレーニングプレトレーニング
ハイパーパラメータハイパーパラメータ
TemperatureTemperature
Top-pTop-p
プロンプトプロンプト
プロンプトエンジニアリングプロンプトエンジニアリング
プロンプトエンジニアリングの基礎Few-Shot プロンプティングInstructionFew-Shot プロンプティングInstruction
Zero-ShotプロンプティングContextZero-ShotプロンプティングContext
Input DataInput Data
Output IndicatorOutput Indicator
Zero-Shot プロンプティングZero-Shot プロンプティング
Few-Shot プロンプティングFew-Shot プロンプティング
LLMプロンプティングの実践文章の校正、校正箇所の確認文章の校正、校正箇所の確認
文章の整理文章の整理
文章の要約文章の要約
箇条書きを文章に変換、文章を箇条書きに変換箇条書きを文章に変換、文章を箇条書きに変換
文章の対象を変更する文章の対象を変更する
話者の設定を変更する話者の設定を変更する
文章を会話のやり取りへ変換文章を会話のやり取りへ変換
例え話で理解を深める例え話で理解を深める
数字の変換数字の変換
テキスト生成AIを用いたビジネス応用メールの作成テキスト生成AIを用いたビジネス応用メールの作成
アンケート項目の作成アンケート項目の作成
アンケートの分析アンケートの分析
キャッチコピーの作成キャッチコピーの作成
ビジネス書類のテンプレート作成ビジネス書類のテンプレート作成
アジェンダの作成アジェンダの作成
業務の手順を分解業務の手順を分解
タスクの抽出タスクの抽出
外国語の翻訳外国語の翻訳
英単語から英文の作成英単語から英文の作成
海外企業宛のメール文章の作成海外企業宛のメール文章の作成
ディベートを行うディベートを行う
姓と名の分離姓と名の分離
ふりがなの記載ふりがなの記載
ブレインストーミングブレインストーミング
質問させながら一緒に進める質問させながら一緒に進める
テキスト生成AIの不得意なこと正確な文字数の指定テキスト生成AIの不得意なこと正確な文字数の指定
計算計算
最新の情報最新の情報
芸術の批評芸術の批評

差がある部分は赤文字にしている。
尚、2025年の列の赤字は2023年版シラバスとの差分

とりあえずの結論

2025年版シラバスに改定内容が記載されているが、
その通りの差分となっている。

いい感じに3行で説明すると以下になる。

  • 第2章:主要な生成AIモデル・サービスが追加(GPT-o1/3/4/4.1/5、Operator、Codex、画像生成、Gemini、Claude、Copilot など)。
  • 第3章:最新の生成AI技術・サービスが追加(自己回帰モデル、RAG・チャンク・ベクトルDB、AIエージェント、Veo3、GenSpark、Manus、Skywork AI、MCP など)。
  • 第4章:AI新法とその構造・内容、注意すべきリスク、事業者ガイドラインや関連法との関係に関する項目が追加。

AI事業者ガイドライン(第1.1版)

AI事業者ガイドライン(METI/経済産業省)
AI事業者ガイドライン

シラバス末尾に改定内容が記載されている。
この内容はそのまま信用してOKだが、Gemini, Claude, Copilot が複数のセクションに記載されている点は表を見ないと位置付けが分かりにくいかもしれない。

以降、簡単に追加された用語を説明していく。

第2章 生成AI(ジェネレーティブAI)

ChatGPT

ChatGPTは、GPT-4.1GPT-5、GPT-o1・GPT-o3・GPT-o4 などのGPTモデルを切り替えて使うテキスト生成AIである。
コード生成では Codex の系譜を活かし、GitHub Copilot のような補完も可能で、Image Generation により画像も扱える。
Operator 上ではAIエージェントとして動き、GeminiClaude と並ぶ代表的な対話型AIとして発展している。

GPT-o1

GPT-o1は、OpenAIが公開した「推論特化型」のGPTモデル。
従来よりも論理的な思考・分解・検証を重視して設計されており、数学やプログラミング、複雑な問題解決などで、より一貫性の高いステップ思考を行うことを目指したモデル。

GPT-o3

GPT-o3は、GPT-o1系の「推論特化」コンセプトを引き継ぎつつ、より高い性能と汎用性を目指したモデル。
複雑な指示の分解や長い文脈の整理に強く、数学・コーディング・文書作成などで、精度と一貫性を両立したステップ思考型の応答を行うことを特徴とする。

GPT-o4

GPT-o4は、GPT-oシリーズの中でも高い推論力と汎用性を持つモデル。
複雑な指示の分解や長文の理解に優れ、数学・プログラミング・文章生成など幅広いタスクで、精度と一貫性の高い推論中心の応答を行うことを目指している。

GPT-4.1

GPT-4.1は、GPT-4系の改良版として位置づけられる大規模言語モデル。
テキスト理解・生成だけでなく、コードや数学などの高度な推論にも対応し、応答速度・コスト・品質のバランスを最適化した「より実用向き」の汎用モデルとして設計されている。

GPT-5

GPT-5は、GPT-4.1の後継として位置づけられる最新世代の大規模言語モデル。
テキスト・コード・画像など多様な情報を統合的に扱い、高度な推論力と応答品質、マルチモーダルな理解・生成性能をさらに高めることで、より人間に近い対話と問題解決を目指したモデルである。

Operator

Operatorは、GPT-4.1GPT-5 などのモデルを使ったAIエージェントを作成・実行・管理できるプラットフォーム。
対話フロー設計やツール連携を行い、問い合わせ対応や業務自動化などを行う「AIオペレーター」を構築するための基盤である。

Codex

Codexは、プログラムコード向けに特化して学習されたGPT系モデルであり、自然言語の指示からコードを生成したり、既存コードの補完・修正・説明を行うことができる。
GitHub Copilot などの開発支援ツールの基盤となったモデルである。

Image Generation

Image Generationとは、テキストやラフな指示から、AIが自動で画像を生成する技術である。
イラスト、写真風画像、デザイン案などを高速に作成でき、ChatGPTなどの生成AIと組み合わせて活用が進んでいる。

Gemini

Geminiは、Googleが開発した大規模マルチモーダルAIモデルである。テキストだけでなく画像や音声なども扱え、対話・翻訳・コード生成・画像理解などを1つのモデルで行うことを目指した汎用AIプラットフォーム。

Claude

Claudeは、Anthropic社が開発した大規模言語モデルであり、安全性と制御性を重視した対話型AI。
長文要約、文章作成、プログラミング支援などに強みを持ち、ChatGPTやGeminiと並ぶ代表的な生成AIとして利用が広がっている。

Copilot

Copilotは、GitHubやMicrosoftが提供するAIアシスタントで、エディタ内でコードの自動補完や関数提案を行う「AIペアプログラマー」。
開発者の作業を支援し、生産性向上に役立つ。

第3章 現在の生成AI(ジェネレーティブAI)の動向

生成AIが出来ることと主なサービス

生成AIは、自己回帰モデルを使って、直前までの文字や画像情報から次に続く内容を少しずつ予測し、文章やコード、画像などを生成できる。
その応用例として、Veo3のようなサービスでは、高度なモデルを使って高品質な動画を自動生成し、広告やプロモーション動画などの制作を支援している。

自己回帰モデル

自己回帰モデルとは、過去のデータ(文章なら直前までの単語列、時系列なら過去の値)を入力として、次の値や単語を予測する統計・機械学習モデル。
生成AIでは、この仕組みを繰り返して文章やコード、音声などのデータを高精度に連続生成する。

Veo3

Veo3は、Google DeepMindが開発した最新の動画生成AIモデル。
テキストや画像から、物理的なリアリティやカメラワークを反映した短編動画を生成でき、ネイティブ音声付き映像や縦長動画など高品質なクリエイティブ制作を支援する。

RAG

RAGは、大量の文書をチャンクに分割して ベクトルデータベース に保存し、ユーザーの質問に意味的に近い情報をまず検索(Retrieval)し、その取得結果をもとに生成AIが回答(Generation)する仕組み。
モデルを再学習させなくても最新かつ根拠の示しやすい回答を出せる点が特徴で、幻覚の抑制にも役立つ。

RAG(Retrieval-Augmented Generation)

RAGは、外部データから関連情報を検索し、その結果を材料に生成AIが回答を作ることで、最新かつ根拠ある応答を可能にする仕組み。
※ ここにチャンク、ベクトルデータベースが関連してくるのが重要

チャンク

チャンクとは、長い文章や文書データを、意味や構造がまとまった小さなかたまりに分割した単位。
RAGなどの仕組みでは、このチャンクごとにベクトル化して検索することで、必要な情報を高精度かつ効率的に取得し、生成AIの回答品質を安定させるために用いられる概念。

ベクトルデータベース

ベクトルデータベースとは、文章や画像などを数値ベクトルとして保存し、その類似度に基づいて高速に検索できるデータベースである。RAGでは質問文のベクトルと近いベクトルを持つチャンクを取得し、生成AIの回答の根拠として利用する。大規模データから必要情報を効率抽出する基盤技術である。

AIエージェント

AIエージェントとは、ユーザーの目的に合わせて情報収集・分析・実行を自律的にこなすAI。
GenSparkManusSkywork AI は、このようなAIエージェントを使って調査や資料作成などのタスクを自動化するサービス。
MCP は、AIエージェントが外部のツールやデータベースと連携しやすくするための共通プロトコル。

GenSpark

GenSparkは、「スーパーエージェント」と呼ばれる自律型AIエージェントを提供するサービス。
ユーザーの指示をもとに情報収集・分析・要約・レポート作成・予約などを連続的に実行し、Mixture-of-Agents技術で複数のAIモデルやツールを組み合わせて高精度なタスク自動化を実現する。

Manus

Manusは、ユーザーの指示や目標を理解し、情報収集・分析・文書作成・Web操作などのタスクを自律的かつ継続的に実行する汎用AIエージェントである。業務や日常作業を任せることで、人はより創造的な仕事に集中できる。

Skywork AI

Skywork AIは、クラウド型のAIワークスペース兼AIエージェントプラットフォーム。
文書・スライド・表・音声・Webページなどを、Deep Researchによる調査と階層型エージェント構造を用いて自動生成し、資料作成やリサーチ業務を大幅に効率化することを特徴とする。

MCP

MCP(Model Context Protocol)とは、AIエージェントや生成AIが外部のツール・API・データベースなどと、安全かつ統一的な方法で接続するための標準プロトコル。
これにより、異なるサービス間の連携や機能拡張が容易になる。
「AIとツールをつなぐUSB Type-C的な存在」といった比喩で説明されることが多い。

第4章 情報リテラシー・基本理念とAI社会原則

AI新法

AI新法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)は、国内のAI開発の遅れや国民の不安に対応するためのAI新法の必要性から制定された、イノベーションとリスク対応を両立させる基本法である。
AI新法の基本構造は、内閣のAI戦略本部とAI基本計画を中心に、研究開発と活用を総合的・計画的に進める枠組みとなっている。
AI新法の内容として、国・地方公共団体・事業者などの責務、情報提供要請や指導・助言などの措置が規定され、AIを「活用しやすく、かつ安全に」使う環境整備を目指している。
同時に、プライバシー侵害や著作権侵害、偽情報の拡散などの注意すべき具体的なリスクを念頭に、既存法やガイドラインと組み合わせて対策を進める考え方が示されている。
AI事業者ガイドラインとの関連では、この法律はEU型の厳しい規制法ではなく、事業者の自主的な取組を尊重しつつ、ガイドライン等と連動して適正なAI利用を促す「土台(基本法)」として位置づけられている。

AI新法の必要性

AI新法の必要性は、生成AIを含むAI技術が生活・経済に役立つ一方で、日本のAI開発・活用の遅れや、プライバシー侵害・偽情報などのリスクへの国民の不安が高まっているため、イノベーション促進とリスク対応のルールを整える点にある。

AI新法の基本構造

AI新法の基本構造は、国がAI戦略本部とAI基本計画を中心に方針を定め、国・自治体・事業者などの責務と、研究開発・利活用促進、リスク対応のための支援・要請・指導等の仕組みを定めた骨格である。

AI新法の内容注意すべき具体的なリスク

注意すべき具体的なリスクとは、AIによるプライバシー侵害や差別・偏見の助長、著作権侵害、偽情報・なりすましの拡散、サイバー攻撃などがもたらす個人・社会への被害であり、事業者はこれらを想定した安全策と説明責任を徹底する必要がある。

AI事業者ガイドラインとの関連

AI新法はAI分野の“基本法”として大枠や方向性を示し、AI事業者ガイドラインはそれを受けて、事業者が具体的に守るべきルールやリスク対策の実務指針を示す関係にある。

まとめ

  • 2026年2月試験から新シラバス(2026年版)に切り替わるため、2025年版との比較結果を整理した。
  • GPT各種モデルや主要サービス(ChatGPT, Gemini, Claude, Copilot など)が追加された。
  • RAG・チャンク・ベクトルDB・AIエージェント・Veo3など最新技術、AI新法とAI事業者ガイドライン1.1等が追加された。

よくある質問(FAQ)

Q1. GUGA生成AIパスポート試験とは何ですか?
A. GUGA生成AIパスポート試験は、生成AIに関する基礎知識から最新動向、社会的なリスクや法制度までを幅広く問う資格試験です。ビジネスパーソンやエンジニアが、生成AIを安全かつ有効に活用するためのリテラシーを証明することを目的としています。

Q2. 2026年版シラバスはいつの試験から適用されますか?
A. 本記事では、2026年2月に実施される生成AIパスポート試験から、新しい2026年版シラバスに切り替わることを前提に比較しています。受験時期によっては2025年版シラバスが適用される場合もあるため、公式サイトで最新情報を確認してください。

Q3. 2025年版と2026年版シラバスの主な違いは何ですか?
A. 2026年版では、第2章でGPT-o1/3/4/4.1/5やOperator、Codex、Gemini、Claude、Copilotなどの主要生成AIモデル・サービスが追加されました。第3章ではRAG・チャンク・ベクトルデータベース、AIエージェント、Veo3、GenSpark、Manus、Skywork AI、MCPなど最新の技術・サービスが追加されています。第4章ではAI新法とAI事業者ガイドライン1.1版に関する内容が新たに盛り込まれています。

Q4. どの章の変更が試験対策上、特に重要ですか?
A. 実務での生成AI活用と直結しやすいのは、第2章と第3章の追加内容です。ChatGPTやGemini、Claudeなどの代表的サービスに加え、RAG・AIエージェント・ベクトルデータベースなどは実務問題でも問われやすいテーマです。法制度やリスク対策という観点では、第4章のAI新法とAI事業者ガイドラインも重要な改定ポイントです。

Q5. RAGやチャンク、ベクトルデータベースはどのような関係がありますか?
A. RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、文書をチャンクという小さなまとまりに分割し、それらをベクトルデータベースに保存して検索(Retrieval)したうえで、生成AIが回答(Generation)を行う仕組みです。チャンクは検索単位、ベクトルデータベースは意味的な類似度で検索するためのインフラという位置づけになります。

Q6. AI新法とAI事業者ガイドラインは何が違うのですか?
A. AI新法は、AIの研究開発・利活用とリスク対応を総合的に進めるための「基本法」に近い位置づけで、国・自治体・事業者の責務など大枠の方向性を示します。一方、AI事業者ガイドラインは、その枠組みを踏まえて事業者が具体的にどのようなルールやリスク対策を行うべきかを示した実務的な指針です。

Q7. 2025年版のテキストや問題集は、2026年版シラバスの勉強にも使えますか?
A. 基本的な考え方や多くの用語は共通しているため、2025年版テキストや問題集も十分に活用できます。ただし、GPT-oシリーズ、RAG・AIエージェント、AI新法など2026年版で追加されたトピックはカバーされていない場合があるため、本記事の比較表や最新シラバスを補助的に利用して学習範囲を補うことをおすすめします。

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