【考察】テレビ・SEO・インフルエンサーはなぜ“似た構造”に見えるのか【情報のゲーム】

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【考察】テレビ・SEO・インフルエンサーはなぜ“似た構造”に見えるのか【情報のゲーム】

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導入:オールド vs ニュー、ほんとに別物?

太郎くん
太郎くん

テレビって“オールドメディア”って言われてるけど、
SEO記事とかインフルエンサーも、根っこはあまり変わらない気がするんだよね

フクさん
フクさん

たしかに。全員が同じって話じゃないけど、
“似た構造を持っている”ところはあるかもしれないね

よくある語られ方はこんな感じです。

  • テレビ
    → 「オールドメディア」「偏向」「情報が古い」
  • ネット/SNS
    → 「多様」「個人の声」「新しい」

一方で、実際にネットを眺めていると、

  • 一部のSEO記事
    → テンプレっぽく量産されているように見える
  • 一部のインフルエンサー
    → バズを優先していて中身が薄く見える

というモヤモヤもあります。

そこで生まれるのが、

「結局どれも、構造上“似た方向”に引っ張られやすいんじゃないの?」

という感覚。

この記事では、

  • テレビ
  • SEO(検索経由のWeb)
  • インフルエンサー(SNS)

の3つがどんな構造を共有していそうかを、「全体を否定しない」前提で整理してみます。
※あくまで「そういう傾向が出やすい」という話であって、例外的に質の高い発信者/番組/記事もたくさんある、という前提はキープします。


事象の整理:「必要とされているもの」と「本当に欲しいもの」のズレ

まずは、自分が感じている現象を言語化しておきます。

よく見る光景

  • テレビは「オールドメディア」として雑に叩かれがち
  • ネット側では、
    • 一部のSEO記事が「テンプレ量産」として冷めた目で見られたり
    • 一部のインフルエンサーが「バズ至上主義」と見られて怪しまれたり

ただ、実際にはどれもグラデーションがあります。

  • テレビにも骨太なドキュメンタリーや教養番組がある
  • SEO経由でも、一次情報に近い技術ブログや長文の論考に出会える
  • インフルエンサーの中にも、時間をかけて検証・解説している人がいる

なので、「全部同じ」「全部ダメ」とまとめるのはさすがに乱暴です。

ここで扱いたいのは、あくまで

「構造上、こういう方向に寄りやすいよね」

という傾向の話です。

そこで生まれる違和感

そのうえで、心の中に残るモヤモヤはこんな感じ。

「アルゴリズムや数字が“必要とされているもの”を決めているだけで、
自分が“本当に欲しいもの”とは微妙にズレてない?」

  • パッと読めて、わかりやすくて、バズりやすいもの
    → “必要とされているもの”として前に出がち
  • 前提から丁寧に説明してくれる・長期に効く考え方
    → 自分には価値があっても、あまり目立たないことが多い

このズレが、

  • 「SEOが信じられない」
  • 「インフルエンサーがインチキに見える」
  • 「テレビも結局同じゲームをしているのでは」

という感覚につながっていきます。


ゲームのルールをざっくりモデル化してみる

ここからは“人”ではなく“構造”を見たいので、
3つをざっくり数式もどきでモデル化してみます。

テレビ(広告モデル)

かなり単純化すると、テレビ局の収益構造はこんなイメージです。

広告収入 ≒ 視聴率 × 放送枠の単価 × スポンサー数

視聴率が上がるほど、同じ時間帯に高い広告費を設定できます。

そのため構造上は、

  • 多くの視聴者が関心を持ちやすいテーマ
  • 30〜60分で盛り上がりどころを作りやすい構成

に寄っていきやすい。

もちろん、数字度外視で攻めた番組もありますが、
「視聴率」という指標に強く縛られているのは確かです。

【ミニ事例:健康番組が“極端な食事法”になりがちな理由】

例えば健康番組を考えてみると、「バランス良く、適度な運動を」という正論よりも、

  • 「○○を食べるだけで痩せる」
  • 「この食材をやめれば血糖値が劇的改善」

のような、少し極端でドラマチックな内容のほうが、視聴率を取りやすい場面があります。

制作側が視聴率だけを見て判断すれば、どうしても「ドラマ性のあるテーマ」を選びたくなります。
もちろん、すべての番組がそうだという話ではなくて、「視聴率」という指標に最適化すると、そういう方向に寄りやすい構造がある、というだけの話です。


SEO(検索エンジン経由のWeb)

WebメディアやSEO記事のざっくりモデルは、こんな形になります。

収益 ≒ 検索流入数 × コンバージョン率 × 1件あたりの単価

ここで、

検索流入数 ≒ 検索順位 × クリック率

クリック率は、

  • 目立つタイトル
  • 「◯選」「3分でわかる」などの形式
  • サムネイル画像やアイキャッチ

などに大きく左右されます。

そのため、一部のSEO記事では

  • タイトルを少し盛る
  • 結論ファースト+箇条書き+テンプレ構成
  • ざっくり全体をなでるような薄めの内容

に寄せたほうがゲーム的には有利、という状況が生まれやすい。

一方で、同じSEOの枠内でも、

  • 一次情報に近い技術ブログ
  • 自分の失敗談を含めて丁寧に書いた長文記事

のように、検索経由でも質の高い情報に辿り着けるケースも確かに存在します。

【ミニ事例:キャリア系キーワードとテンプレ記事】

「エンジニア 目標設定」「転職 面接 質問」みたいなキーワードで検索すると、

  • 「例文◯選」「テンプレート配布」
  • 「○ステップで分かる」

といった構成の記事をよく見かけます。

これは、検索ユーザーの多くが「今すぐ使えるひな形」を求めていることと、
そうした記事のほうがクリックされやすく、滞在時間も稼ぎやすいためです。

一方で、同じテーマでも、

  • 評価の裏にあるビジネス構造
  • 長期的なキャリア戦略

まで踏み込んだ長文の記事もありますが、
こちらはどうしても「じっくり読む人」向けで、数字上は目立ちにくくなりがちです。


インフルエンサー(SNS)

インフルエンサー的な発信のざっくりモデルは、こんな感じです。

収益 ≒ フォロワー数 × エンゲージメント率(いいね・コメントなど) × 案件単価

そしてフォロワー数は、

フォロワー増加 ≒ バズ回数 × バズの規模

に大きく影響されることが多い。

そのため、特に一部のアカウントでは

  • 強めの断言や煽り
  • 感情を揺さぶる内容(怒り・不安・希望)
  • 短時間でわかる成功ストーリー

に寄せたほうが“構造上は伸びやすい”という状態が生まれやすいです。

もちろん、腰を据えて検証・解説しているアカウントや、
数字よりも長期的な信頼関係を重視している人もたくさんいます。

【ミニ事例:タイムラインに流れやすい話し方】

SNSを眺めていると、

  • 「○○は今すぐやめろ」
  • 「年収を上げたいならこれだけやれ」

のような、はっきりした言い切りの投稿がタイムラインでよく流れてきます。

これは、曖昧な議論よりも、

  • 賛成・反対で議論が盛り上がる
  • 引っかかりが強くて「いいね」しやすい

という特徴があり、結果的にアルゴリズムに拾われやすいからです。

もちろん、前提条件や例外を丁寧に説明している解説系アカウントも多く存在しますが、
構造としては「強い断言ほど伸びやすい側面がある」というだけの話です。


「似た構造」を持つポイント(+図解)

式の形はそれぞれ違いますが、3つに共通して見えるのは、

「短時間で、どれだけ多くの人の注意を集められるか」

というゲーム要素です。

  • テレビ:視聴率
  • SEO:クリック率+滞在時間
  • SNS:エンゲージメント(いいね・コメント等)

これらの数字が収益や評価につながりやすい構造がある以上、
「数字を稼ぎやすい方向」にコンテンツが寄りやすいのは、ある程度自然な流れとも言えます。

簡単なイメージ図にするとこんな感じです。

情報発信者
flowchart TD
  A[情報発信者] --> B[コンテンツ<br>(番組・記事・投稿)]
  B --> C[アルゴリズム / 評価指標<br>視聴率・クリック率・エンゲージメント]
  C --> D[数字<br>視聴率・PV・いいね数 など]
  D --> E[発信者の学習・最適化<br>数字の良いパターンに寄っていく]

※悪意がなくても、「数字を見て改善する」ことを繰り返すと、
結果的に似た方向に最適化されやすい、という図です。


3モデルのざっくり比較表

ここまでを表にすると、だいたいこんな感じになります。

モデル主な収益源アルゴ/評価が見る数字数字が良くなりやすいパターン(傾向)逆に拾われにくいパターン(傾向)
テレビ広告収入(スポンサー)視聴率、世帯視聴率、コア視聴率など・多くの人が関心を持つテーマ
・短時間で盛り上がりどころを作れる構成
・ドラマチックな事例や極端なケース
・地味だけど重要な制度・構造の解説
・ニッチな専門テーマ
・長期的な追跡・検証
SEO(Web)広告、アフィリエイト、リード獲得など検索順位、クリック率、滞在時間、CV率など・「◯選」「○ステップ」など形式がはっきりした記事
・今すぐコピペできるテンプレ、例文
・タイトルと冒頭で結論が分かる構成
・長文で前提から丁寧に説明する記事
・結論より「考え方」「構造」を重視する記事
・ニッチで検索ボリュームの小さいテーマ
インフルエンサー(SNS)広告案件、投げ銭、オンラインサロンなどフォロワー数、エンゲージメント率、再生数など・強い断言・煽り・キャッチーなフレーズ
・感情を揺さぶる話(怒り/不安/希望)
・短い時間でオチがつくストーリー
・前提や例外を丁寧に説明する長文投稿
・オチが弱いけれど地味に重要な話
・すぐに結論が出ない「問いかけ」型の発信

あくまで「傾向」ですが、3モデルが似た方向の力学に引っ張られやすいことは、なんとなく見えてくると思います。


コラム:アルゴリズムは何を最適化しているのか

ここまで「数字に最適化される」という話をしてきましたが、
そもそもアルゴリズム側は何を見ているのでしょうか。

細かい数式や実装は置いておくとして、ざっくりイメージだけ。

  • 検索エンジン
    → 「ユーザーがその検索結果に満足したかどうか」を、
    • クリックしたか
    • すぐ戻ってこなかったか(滞在時間)
    • 似た検索を何度も繰り返さなかったか
      から推測しようとしています。
  • 動画プラットフォーム
    → 「どの動画なら長く視聴してもらえるか」を、
    • 視聴時間
    • 最後まで見られた割合
    • その後に続けて見られた動画の組み合わせ
      から学習します。
  • SNSのタイムライン
    → 「どの投稿なら反応がつきやすいか」を、
    • いいね・コメント・リプライ
    • リツイート・シェア
    • プロフィールクリック
      などの反応から学習します。

どれも基本的には、

「ユーザーにとって価値あるものを出したい」

という意図で設計されています。
ただし、評価指標が数字である以上、

  • 強い感情を呼び起こすもの
  • 一瞬で目を引くもの
  • 賛否が分かれて議論になりやすいもの

構造的には有利になりやすい側面があります。

ここで注意したいのは、

  • アルゴリズム自体が“悪い”わけではない
  • ただ、「測りやすい指標」で評価すると、どうしても偏りが出る

という点です。

この前提を頭の片隅に置いておくと、

  • 伸びているもの=「多くの人に刺さった」
  • 伸びていないもの=「自分には刺さるけど、数字には出にくい」

と、少し冷静に眺められるようになります。


それでもズレてしまう「本当に欲しいもの」

最初の違和感に戻ります。

数字に載りやすいもの

数字に載りやすいのは、だいたいこんな要素です。

  • 一瞬で理解できる
  • 白黒ハッキリした結論
  • 感情が即座に動く(スカッとする/不安になる)
  • 「これさえやればOK」系の単純なノウハウ

これはこれで、忙しい人にとっては役に立つ場面もあります。
ただ、「数字を稼ぎやすい」という意味で、
“必要とされているもの”として前面に出がちです。

長期的に効くけれど埋もれやすいもの

一方で、自分にとって「本当にありがたい」と感じるのは、むしろ:

  • 前提条件から丁寧に説明してくれる記事
  • 例外やグレーゾーンをちゃんと扱う議論
  • スキルだけでなく「考え方」や「構造」を教えてくれるコンテンツ

みたいな、「長期的に効くけれど、数字上は目立ちにくいもの」だったりします。

  • 読み切るのに時間と集中力がいる
  • すぐに“答え”が出るわけではない
  • バズるかどうかは運の要素が大きい

このあたりが、

「アルゴリズムが選ぶ“必要とされているもの”」

「自分の感覚的な“本当に欲しいもの”」

のズレを生む一因になっている気がします。


コラム:アルゴリズムと人間心理の“共犯関係”

もう少し踏み込むと、
アルゴリズムと人間心理は、ある意味で共犯関係になっています。

ざっくり言うと、人間側にもこんな癖があります:

  • 強い感情(怒り・不安・驚き・希望)は、記憶に残りやすく、反応もしやすい
  • 「はっきりした結論」と「シンプルなストーリー」は、理解しやすくて気持ちいい
  • 「みんなが見ているもの」にはつい興味が向く(同調や安心感)

ここに、「反応の多いものを上に出すアルゴリズム」が乗ると、
次のようなループが走りがちです。

反応の多いものを上に出すアルゴリズム
flowchart TD
  A[刺激の強いコンテンツ] --> B[人間の強い感情反応<br>いいね・コメント・シェア]
  B --> C[アルゴリズムが「人気」と判断]
  C --> D[露出が増える<br>(おすすめ・タイムライン・上位表示)]
  D --> E[さらに多くの人が見る]
  E --> B
  • アルゴリズムは「反応が多い=良い」と見なす
  • 人間は「感情が動いたものに反応しやすい」
  • その結果、感情を強く揺さぶるコンテンツが繰り返しブーストされる

もちろん、落ち着いた解説や地味な情報がまったく評価されないわけではありませんが、
ゲームのルールとしては「刺激が強いほど有利な面がある」というのは、
ある程度意識しておいてよさそうです。


数字に寄ることで“何が失われるか”をざっくり数値イメージにしてみる

かなり乱暴な単純化ですが、
「数字を最大化すると、どんな価値が削れやすいか」を、
ざっくり定量イメージにしてみます。

仮にコンテンツを2種類に分けます。

  • Sタイプ:すぐ効く・分かりやすい・バズりやすい(Short-term)
  • Dタイプ:理解に時間がかかるが、長期的に効く(Deep)

それぞれに、適当なスコアを仮置きしてみます。

タイプクリック率 (CTR)平均視聴/読了時間視聴直後の満足度 (0〜10)半年後の学習/行動変化への寄与 (0〜10)
Sタイプ8/102/108/102/10
Dタイプ3/107/107/109/10

アルゴリズム側が、ざっくり

評価 = CTR × 0.5 + 視聴時間 × 0.5

みたいな指標を使っているとすると(例です)、

  • Sタイプ:評価 ≒ 8×0.5 + 2×0.5 = 5
  • Dタイプ:評価 ≒ 3×0.5 + 7×0.5 = 5

となって、評価はほぼ同じになってしまいます。
(実際のアルゴリズムはもっと複雑ですが、ここではイメージだけ)

ところが「半年後の行動変化」まで含めると、

  • Sタイプ:2
  • Dタイプ:9

と、長期的な学習・行動の変化という意味ではDタイプの方が圧倒的です。

しかしこの「半年後の変化」は、
アルゴリズムからはほとんど観測されません。

結果として、

  • システムが見ている“評価”
    → SとDは同等 or Sがやや有利
  • 人間の長期的な成長/変化という意味での“価値”
    → Dのほうが圧倒的に大きい

というギャップが、構造的に発生しやすくなります。

ここから言えるのは、

  • アルゴリズムが最適化しやすい指標
  • 自分が本当に欲しい成果(数ヶ月〜数年スパンでの変化)

がズレている可能性を、頭の片隅に置いておいたほうがよさそう、ということです。


「全部同じ」ではなく「似た構造を持っている」

ここまでをまとめると、

  • テレビ・SEO・インフルエンサーは、それぞれ違う歴史や文化、プレイヤーを持っている
  • そのうえで、「測りやすい数字に最適化されるゲーム」という意味では似た構造を持っている

と言えそうです。

ただし、ここで大事なのは、

  • 「全部そうだ」と決めつけないこと
  • 構造上そうなりやすいけれど、その中で踏ん張って質を追っている人もたくさんいる、という事実を忘れないこと

です。

「全部同じ穴のムジナ」と一括りにして終わらせてしまうと、
そうした例外や努力まで見えなくなってしまうので、
この記事ではあくまで「構造と傾向」の話として留めておきたいと思います。


受け手としてのスタンス:距離の取り方

構造が少し見えてきたところで、
「じゃあ受け手としてどうするか」を考えてみます。

「世界そのもの」ではなく「フィルター」として眺める

  • テレビで切り取られた世界
  • 検索結果1ページ目で切り取られた世界
  • SNSのタイムラインで切り取られた世界

は、それぞれ

「特定のアルゴリズムとビジネスモデルを通した“フィルター付きの世界”」

として眺める。

「これが現実のすべて」と思わないだけで、
モヤモヤやイライラはかなり減ります。


“静かな良コンテンツ”を自分で集める(+図解)

アルゴリズムに乗りにくいけれど、自分には刺さるもの——

  • 長文の個人ブログ
  • 現場エンジニアの知見が詰まった記事
  • 再生数は少ないけれど、異様に中身が濃い動画

みたいなコンテンツは、偶然や人づてで見つかることが多いです。

見つけたら、

  • ブラウザのブックマーク
  • Notion/メモアプリ
  • 紙のノート

なんでもいいので、「自分専用の小さな図書館」としてストックしておくと、
“数字”とは別軸で自分にとっての「本当に必要なもの」が育っていきます。

イメージ図にするとこんな感じ。

自分専用の小さな図書館
flowchart TD
  A[検索結果1ページ目 / SNSトレンド] --> B[気になったコンテンツを開く]
  B --> C[静かな良コンテンツに出会う<br>個人ブログ・技術記事など]
  C --> D[自分のブックマーク / メモアプリ]
  D --> E[自分専用の小さな図書館]

※アルゴリズムは「入口」として活用しつつ、
長く効くコンテンツは自分でストックしていくイメージです。


数字は「人気度」の指標としてだけ使う

最後に、数字の扱い方について。

  • 再生数が多い
    → 「多くの人に届いた」
  • いいねが多い
    → 「多くの人の琴線には触れた」

くらいの意味づけにとどめて、

  • 「だから正しい」
  • 「だから自分にも必要」

とは直結させない。

数字=人気のメーターくらいに切り分けておくと、

  • インフルエンサーに対する“インチキ感”(実態はともかくとして…)
  • SEO記事への“テンプレ感”(実態はともかくとして…)
  • テレビへの“オールドメディア感”(実態はともかくとして…)

と、少しフラットに付き合いやすくなる気がします。


自分でこういう話を書くときの注意メモ

最後に、このテーマを自分で記事化するときの自戒メモをいくつか。

  • 「○○は全部ダメ」ではなく
    「こういう構造上、こういう傾向が出やすい」 と書く
  • 「一部の〜」「〜なケースでは」と枕詞をつけて、例外の存在を明示する
  • 構造を批判して、人を断罪しない
    → 個人名/アカウント名を晒して叩く形にはしない
  • 「質の高い発信者や番組もたくさんある」と、一文でもいいからちゃんと書いておく
  • 自分も数字やアルゴリズムの影響を受ける立場だと認める
    → 完全な安全地帯から石を投げているわけではないことを明示する

このあたりを押さえておけば、

  • 全体を否定しない
  • でも違和感はきちんと残す

というバランスの取れた「構造の話」として出せるかなと思います。


おわりに

  • テレビ・SEO・インフルエンサーは、それぞれ違う顔をしている
  • それでも、「測りやすい数字に最適化されるゲーム」という意味では似た構造を持っている
  • その結果、「必要とされているもの」と「本当に欲しいもの」の間にズレが生まれやすい

だからこそ、

  • メディアを「フィルター」として見る
  • “静かな良コンテンツ”を自分で集めておく
  • 数字は人気指標としてだけ使う

という距離感を持っておくと、
この情報のゲームとも、少しだけ穏やかに付き合えるのかもしれません。

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