MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 その46【状態空間モデル④】

MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 その46【状態空間モデル④】 数値計算
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 その46【状態空間モデル④】

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はじめに

前回は、状態空間モデルを理解するために
超シンプルな微分方程式を対象にしてみようという話になった。
具体的にはニュートンの運動方程式。
入力は力\(\boldsymbol F\)で出力(観測)は距離\(\boldsymbol s\)とする。

この情報を元に状態空間モデルを作る過程を見て行く。

登場人物

博識フクロウのフクさん

指差しフクロウ

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1

エンジニア歴8年の太郎くん

技術者太郎

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1

状態量の定義

フクさん
フクさん

入力と出力は決まっているので、
状態量\(\boldsymbol x\)を定義する必要がある。

太郎くん
太郎くん

つまり、外から見えない変数?

フクさん
フクさん

まぁそうだけど、外から見える変数、つまり出力も状態量に含める必要はあるかな。

太郎くん
太郎くん

といっても、運動方程式の変数と言われても、
力\(\boldsymbol F\)、距離\(\boldsymbol s\)、速度\(\boldsymbol v\)、加速度\(\boldsymbol a\)、質量\(m\)くらいしか思いつかないな・・・。

フクさん
フクさん

ちなみに質量\(m\)は今回は変数ではなく係数という位置づけになるな。
先に答え言っちゃうと距離\(\boldsymbol s\)、速度\(\boldsymbol v\)を状態量とすると都合が良さそうだ。
というわけで状態量\(\boldsymbol x\)は以下と定義できる。

状態量

\(
\boldsymbol x=
\begin{bmatrix}
v(t) \\
s(t)
\end{bmatrix}
\)

太郎くん
太郎くん

ようわからんけど、そういう定義が都合が良いなら、まずは傍観しとこう。

フクさん
フクさん

そして、これに伴って状態方程式の解である、\(\dot{\boldsymbol x}\)は以下になる。

\(
\dot{\boldsymbol x}=
\begin{bmatrix}
\dot{v}(t) \\
\dot{s}(t)
\end{bmatrix}
\)

太郎くん
太郎くん

そうか。状態方程式の解は\(\boldsymbol x\)の一階微分になるのか。

運動方程式を紐解いていく

フクさん
フクさん

ここから運動方程式を紐解いていく。

運動方程式
\(m \ddot{s}(t)=\boldsymbol F(t)\)

距離\(s(t)\)、速度\(v(t)\)、加速度\(a(t)\)の関係
\(\ddot{s}(t)=\dot{v}(t)=a(t)\)
\(\dot{s}(t)=v(t)\)

上記より
\(
\begin{eqnarray}
m \dot{v}(t) &=& F(t) \\
\dot{v}(t) &=& \displaystyle \frac{F(t)}{m}\dots(1) \\
\dot{s}(t) &=& v(t)\dots(2)
\end{eqnarray}
\)

各種方程式を見て

フクさん
フクさん

ここまでは良い?

太郎くん
太郎くん

微分は出てくるけど、そこは距離、速度、加速度の関係性で吸収されちゃうから
あまり気にしなくてもOKそうで、
あとは普通に移項して、\(\dot{\boldsymbol x}\)の中身である、
\(\dot{v}(t)\)と\(\dot{s}(t)\)が求められる方程式が出てきた。
って認識。

フクさん
フクさん

いいね。
まずはそこまで分かっていれば、これを状態空間モデルとして組み上げるのみだ。

まとめ

フクさん
フクさん

まとめだよ。

  • まずは状態量を定義。
    • 速度、距離を状態量とした。
  • 運動方程式を紐解く。
    • 距離、速度、加速度の関係性が微分を吸収する。
    • 状態量の内訳である速度、距離の方程式が求まったところ。

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