MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第2章 その1【概要偏】

MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第2章 その1【概要偏】 数値計算
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第2章 その1【概要偏】

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はじめに

第2章がこれから始まる。
内容としては最小二乗法を始めとした回帰アルゴリズムがメインのシリーズとなる。

登場人物

博識フクロウのフクさん

指差しフクロウ

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1

エンジニア歴8年の太郎くん

技術者太郎

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1

これから何をするのか

太郎くん
太郎くん

こらから第2章が始まるわけだけど、
具体的には何をやる予定なの?

フクさん
フクさん

最小二乗法を代表とした回帰アルゴリズムをメインにやる予定。

太郎くん
太郎くん

回帰?

フクさん
フクさん

以下みたいな感じで
プロットされた点に対して、
もっともらしい線を引くようなものを回帰分析と呼ぶ。

回帰のサンプル、x、y

回帰(、英: regression)とは、統計学において、Y が連続値の時にデータに Y = f(X) というモデル(「定量的な関係の構造」)を当てはめること。別の言い方では、連続尺度の従属変数(目的変数)Y と独立変数(説明変数)X の間にモデルを当てはめること。X が1次元ならば単回帰、X が2次元以上ならば重回帰と言う。Y が離散の場合は分類と言う。

Wikipediaより(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9E%E5%B8%B0%E5%88%86%E6%9E%90)
太郎くん
太郎くん

あー、こういうは見たことあるな。

どういうふうに役立つのか?

太郎くん
太郎くん

んで、この回帰が出来ると何がうれしいんだ?

フクさん
フクさん

まぁサンプリングしたデータの特性が分かりやすくなるというのが多いだろうが、
自動車業界だと、制御対象の内部パラメータの推定で使われることもあるな。

太郎くん
太郎くん

推定?
そんなことができるの?

最小二乗法での推定例

フクさん
フクさん

例えば、モータあったとして、
そのモデルと以下とする。

\(
I(t)=\displaystyle \frac{E(t)}{R}+b
\)

フクさん
フクさん

実際は逆起電力が入るからこんなシンプルにはならないんだけど、
あくまで例としてシンプルな式にしている。

太郎くん
太郎くん

電圧と電流の関係を表してる式ってことだよね。

フクさん
フクさん

で、ここの抵抗値\(R\)とバイアス\(b\)は
本来は定数で、変化しない前提で計算されることが多いのだけど、
現実世界ではそういうわけにはいかない。
例えば、経年劣化で定数が変わって特性が変わってしまうことがあり得るからだ。

太郎くん
太郎くん

あー、たしかに経年劣化は最大の敵に一つだなぁ。

フクさん
フクさん

ここで、電圧に対して電流が計測できるとすると以下のようにプロットができる。

モータの入力電圧と出力電流の関係、電圧E、電流I
太郎くん
太郎くん

入力が電圧で出力が電流って位置づけだね。

フクさん
フクさん

そこに先ほどのモデルと同じように1次式として、
それっぽい線を引くと以下になる。

モータの入力電圧と出力電流の関係(一次式で同定)、電圧E、電流I
太郎くん
太郎くん

まぁ妥当そうな線だ。

フクさん
フクさん

この一次式が以下とすると・・・。

\(
I(t)=0.5 E(t)+2
\)

フクさん
フクさん

先ほどのモータモデルの数式に当てはめると・・・。

\(
\begin{eqnarray}
1/R&=&0.5 \\
R&=&2 \\
b&=&2
\end{eqnarray}
\)

太郎くん
太郎くん

あ、不明だった定数が求まった!

フクさん
フクさん

これが回帰アルゴリズムを利用したパラメータ推定の例だな。
これにより経年劣化後のパラメータも適時推定できるので、

  • 故障前に劣化状況を検知
  • 劣化状況に合わせた制御ポリシーに変更

なんてことが可能になる。

太郎くん
太郎くん

確かにこれは便利そうだ。

まとめ

フクさん
フクさん

まとめだよ。

  • 本シリーズは最小二乗法を代表とした回帰アルゴリズムメイン
  • 自動車業界だと、制御対象の内部パラメータの推定で使われることもある。
    • 経年劣化で内部パラメータが変動しても回帰である程度特定可能。
      • これにより事前交渉検知や劣化状況に合わせた制御ポリシーの変更が可能。

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