G検定まとめ記事はこちら
はじめに:G検定は「覚えることが多い試験」です
G検定(ジェネラリスト検定)は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AI・ディープラーニングの活用リテラシーを測る資格試験です。
技術・ビジネス・法律・倫理と範囲が広く、2024年シラバス改訂では生成AIや基盤モデル、AIガバナンスなどの項目も追加され、用語の数はさらに増えています。
その結果、
- 「覚える用語が多すぎて、何から手を付けていいか分からない」
- 「シラバスを読んでも、自分がどこまで理解できているのか把握しにくい」
と感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、こうした悩みに対して、
究極カンペ × 用語集カンペ(Excel)
という二段構えで学習を進める方法をご紹介します。
- 究極カンペ:頭の中に構築する「知識体系」
- 用語集カンペ:シラバスに1対1対応したExcel用語集
この二つを組み合わせることで、「理解」と「抜け漏れチェック」を同時に進める学習プロセスを作っていきます。
究極カンペとは?(G検定版)
本サイトでは以前から、AI時代の学習法として「究極カンペ理論」を提案しています。
一般論としての考え方は、こちらの記事で整理しています。
- AI時代の暗記・フェルミ推定・セレンディピティに関する記事
https://www.simulationroom999.com/blog/ai-era-memorization-fermi-serendipity/
G検定に特化して言い換えると、究極カンペとは次のようなものです。
- シラバスの用語が因果関係や歴史的流れでつながった「頭の中のマップ」
- 「この用語は、どの技術分野・どの社会課題と関係しているか」が直感的に分かる状態
- 細かい数値や定義を忘れても、他の知識からフェルミ推定的に補完できる状態
イメージとしては、
- 「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」が、
なぜその3つに分かれるのか - 「AI倫理のガイドライン」と「国際的なAI原則(OECD/UNESCOなど)」が、
どんな価値観を共通して重視しているのか
といった「つながり」を説明できることを目指します。
究極カンペの作り方については、G検定向けに連載しています。
- 究極カンペの作り方シリーズ(G検定用)
https://www.simulationroom999.com/blog/g-test-preparation-make-the-ultimate-cheat-papers-back-number/
用語集カンペとは?(シラバス対応Excel)
一方で、どれだけ理解を重視していても、「用語の抜け漏れ」はどうしても発生します。
そこで本サイトでは、G検定シラバス2024の詳細キーワードに対応した用語集カンペ(Excel版)も別記事で公開しています。
- G検定2024シラバス対応 用語集カンペ(Excel版)
https://www.simulationroom999.com/blog/g-kentei-syllabus-2024-excel-glossary-cheatsheet/
このExcelカンペは、
- 大分類/カテゴリ/項目No/項目名/キーワード/意味(1行説明)
といった形で、シラバス項目と1対1で紐付いた用語集になっています。
これにより、
- 「この用語は、どの分野のどの項目に属しているのか」
- 「倫理・法律分野だけをまとめて確認したい」
- 「ディープラーニング応用例だけを絞り込みたい」
といった検索・フィルタリングが簡単にできます。
他の用語集・チートシートとの違い(ざっくり)
「とりあえず用語を並べただけ」のチートシートと比べて、本サイトの用語集カンペ(Excel)には次のような特徴があります。
- G検定シラバス項目と1対1で紐付いている
公式シラバスの「大分類/カテゴリ/項目No/キーワード」とExcelの行が対応しているので、
「この用語はシラバスのどこに属するか」がすぐに分かります。 - 自分の理解度カラムを追加しやすい設計
余白の列をあえて残しているため、
「理解度」「重要度」「過去問で見たか」などの列を簡単に追加できます。
そのまま自分専用の学習管理シートに育てていけるのが特徴です。 - カンペ作りそのものを「究極カンペ構築プロセス」にしている
このExcelは「答えだけを見るためのズル用カンペ」ではなく、
頭の中に知識ネットワーク(究極カンペ)を作るための外付けワークシートという位置づけです。
塗りつぶしやメモ書きといった編集行為自体が、理解を深めるステップになるように設計しています。
なぜ「究極カンペ × 用語集カンペ」の二刀流なのか
先ほど紹介した「フェルミ推定・セレンディピティ」の記事では、
九九と四則演算の関係で学習を例えていました。
- 九九:瞬時に答えを出すためのパターン記憶
- 四則演算:仕組みから計算できる思考プロセス
G検定に置き換えると、
- 用語集カンペ(Excel)=九九的な「即答パターン」
- 究極カンペ(脳内マップ)=四則演算的な「仕組み・因果理解」
という関係になります。
どちらか一方だけでは弱く、両輪で回すことで、
- 問題文に見慣れない用語が出てきたとき、Excelで即座に意味を確認できる
- 問題の背景にある考え方は、究極カンペに基づいて推論で補える
という状態に近づいていきます。
フェーズ別:究極カンペ×用語集カンペの学習プロセス
ここからは、実際の学習の流れをフェーズ別に整理します。
フェーズ1:全体像をつかむ(公式テキスト+シラバス)
- まずはJDLA公式サイトからG検定シラバス2024をダウンロードします。
- 公式テキストや解説書を使い、大まかな章立ちとキーワードを眺めます。
- この段階では、細かい暗記は気にせず「どんな世界を歩く試験なのか」を把握することを優先します。
このフェーズでは、Excelカンペはまだ「チラ見」程度で構いません。
フェーズ2:究極カンペの骨格づくり
次に、究極カンペ(頭の中のマップ)の「骨組み」を作っていきます。
- 紙のノート/iPad/Notionなど、好きなツールでOKです。
- おすすめは「マインドマップ」や「ざっくり見取り図」です。
例:
- 中心に「G検定」と書き、
- 「技術分野」「AIの社会実装」「法律・倫理分野」などの枝を生やす
- さらにその下に「機械学習の概要」「ディープラーニング応用例」「AIガバナンス」などをぶら下げる
このとき、厳密な用語の定義を書く必要はありません。
むしろ、
- 「これはイメージでいうと○○っぽい技術」
- 「これは最近ニュースでよく聞く系統の話」
など、自分の中の感覚的なフックを書き込むイメージです。
フェーズ3:用語集カンペで抜け漏れチェック
骨格ができてきたら、用語集カンペ(Excel)の出番です。
- Excelを開き、「技術分野」「法律・倫理分野」などフィルタを使いながら眺めます。
- 一つ一つの用語について、
- 「聞いたことがあるか?」
- 「一言で説明できるか?」
- 「究極カンペのどの枝にぶら下がるか?」
をチェックしていきます。
- 理解度の列を自分で追加して、例えば以下のように管理します。
- A:人に説明できる
- B:なんとか説明できるが自信は薄い
- C:ざっくりイメージだけ
- D:初見・まったく分からない
この段階になると、
- 究極カンペ側で「枝」が立っている領域
- 用語集カンペ側で「用語の抜け漏れ」が可視化されている領域
が見えてきます。
フェーズ4:試験直前〜当日の使い方
試験直前期は、次のような使い分けがおすすめです。
- 究極カンペ側
- 「AI倫理」「AIガバナンス」「AIと社会」のストーリーを声に出して説明してみる
- 「機械学習の4つの評価指標」「ROCとAUC」など、概念のつながりを言葉にしてみる
- 用語集カンペ側
- 理解度C・Dの行だけをフィルタ表示
- 「法律分野だけ」「ディープラーニング応用例だけ」を絞り込んで弱点つぶし
試験当日は、
- 「どうしても思い出せない用語」を数秒で検索する
- 選択肢の中に紛れ込んだ「明らかにおかしい用語」を切る
といった最小限の利用に留めるのが現実的です。
G検定は問題数が多いため、試験中に落ち着いて用語を調べている時間はそれほどありません。
ノート・ファイル構成の具体例
ここでは、実際の構成イメージを一例としてご紹介します。
1. 究極カンペ用ノート
- ツール例:紙ノート、GoodNotes、Notion など
- ページ構成例:
- 1枚目:G検定全体マップ(大分類レベル)
- 2〜3枚目:各分野のマインドマップ(例:機械学習、ディープラーニング、法律・倫理)
- 以降:気になったトピックごとの「A4一枚まとめ」
ポイントは、「1トピック=1ページ」にして、後から見返したときの検索性を高めることです。
2. 用語集カンペ(Excel)
- 列の例:
- 大分類
- カテゴリ
- 項目No
- 項目名
- キーワード
- 意味(1行)
- 理解度
- メモ(参照したテキスト・ページ、関連ニュースなど)
「メモ」の列に、
- 公式テキストのページ番号
- 読んだ論文や公的資料(OECD AI Principles, UNESCO AI倫理勧告など)のリンク
を書いておくと、復習時の導線がかなり楽になります。
よくある失敗パターンと回避法
失敗1:用語集カンペだけ作って満足してしまう
Excelをきれいに整えること自体が目的化してしまい、
「結局、中身の理解が追いついていない」というケースです。
- 対策
→ 究極カンペ側に「今日の学びを1枚に雑にまとめる」時間を必ず取るようにします。
形式は汚くて構いません。「話せるかどうか」を基準にしましょう。
失敗2:究極カンペを作ろうとして完璧主義に陥る
「全部を1枚の図で綺麗に整理するまで前に進めない」パターンです。
- 対策
→ 究極カンペはバージョンアップ前提で考えます。
v0.1(ざっくり版)→ v0.5(だいぶマシ)→ v1.0(試験直前版)
と段階的に書き換えていくイメージで、最初から完成を目指さないようにします。
失敗3:カンペ=不正行為という意識に引っ張られすぎる
「カンペを作るなんてずるいのでは?」と気にしすぎて、
学習効率が落ちてしまうケースです。
- 対策
→ 本記事で扱っているのは、学習補助としてのカンペです。
不正行為に当たるかどうかは、JDLAの最新の受験要項に従い、
試験中の利用方法について自分なりのラインを決めておきましょう。
まとめ:究極カンペを主役に、用語集カンペを相棒に
最後に、ポイントを整理します。
- G検定は、技術・ビジネス・法律・倫理まで幅広く問う「記憶+理解」型の試験です。
- 本サイトが推奨する本命は、頭の中に構築される「究極カンペ(知識体系)」です。
- 一方で、シラバスの項目を漏れなく押さえるために、用語集カンペ(Excel)は非常に相性のよい補助ツールになります。
- フェーズ別に、
- 全体像把握
- 究極カンペの骨格づくり
- 用語集カンペで抜け漏れチェック
- 試験直前〜当日の最終確認
という流れを作ることで、理解と暗記のバランスを取りやすくなります。
究極カンペ+用語集カンペの二刀流で、
自分なりの「G検定マップ」を育てていっていただければうれしいです。
FAQ
Q1. G検定の勉強でカンペを使ってもよいのでしょうか?
G検定はオンライン試験であり、一般に「資料を参照できる形式の試験」として紹介されることが多いですが、カンペの利用について明確に推奨・禁止する公式見解は示されていません。
本記事で扱うカンペは、不正行為のためのものではなく、
- 学習・復習の効率を上げる
- 試験中に自分の理解を素早く確認する
といった目的の学習補助ツールとして位置づけています。
具体的な禁止行為や受験環境については、必ず日本ディープラーニング協会(JDLA)の公式サイトに掲載された最新の受験要項を確認してください。
Q2. 究極カンペとは何ですか?
究極カンペとは、紙のチートシートではなく、自分の頭の中に構築される知識体系・思考マップのことを指します。
- 用語をバラバラに暗記するのではなく、
- 「なぜそうなるか」「どこにつながるか」という因果関係・ストーリーで覚える
- 細かい定義を忘れても、他の知識からフェルミ推定的に補完できる
という状態を目標にしています。
一般的な考え方は、こちらの記事で解説しています。
G検定向けの具体的な作り方は、連載記事をご参照ください。
Q3. 用語集カンペ(Excel)はどのタイミングで使うのがよいですか?
おすすめのタイミングは次のとおりです。
- 公式テキストや講座で一通りさらった後
まずはテキストや解説書で全体像と主要な概念を把握します。 - その後で用語集カンペ(Excel)を開き、
- シラバス項目の抜け漏れをチェックする
- 自分の理解度を色分けする
といった形で弱点を可視化します。
- 試験直前は、理解度の低い用語だけをフィルタ表示して、弱点つぶしリストとして使います。
このように、用語集カンペは「最初から眺めるもの」というより、全体像を掴んだあとに使う学習補助ツールとして活用するのがおすすめです。
Q4. 究極カンペと用語集カンペの両方を作る時間がありません。
時間が限られている場合は、次のような優先順位をおすすめします。
- 用語集カンペをベースに、最小限の究極カンペを作る
- Excelの中に「理解度」や「一言メモ」だけを書き込む
- すべてを網羅しようとせず、頻出しそうな分野(機械学習・ディープラーニング応用・倫理・法律など)に絞る
- 究極カンペ用ノートは、
- 「AI倫理・ガバナンス」など、ストーリーで問われやすいテーマだけ
1〜2ページに簡潔にまとめる
- 「AI倫理・ガバナンス」など、ストーリーで問われやすいテーマだけ
全部を完璧にまとめてから受験するのではなく、「合格に効きそうな部分だけを濃くする」という発想で進めると、時間がないケースでも運用しやすくなります。
Q5. この学習法は、今後シラバスが改訂されても使えますか?
はい、使えます。
- 究極カンペ:
シラバスが多少変わっても、「分野どうしの関係」や「技術と社会・倫理のつながり」を整理するという枠組みは変わりません。 - 用語集カンペ(Excel):
新しいシラバスが公開されたら、新しい項目を行として追加していくだけで更新できます。
「Excel側で項目をアップデートしつつ、究極カンペ側でマップを微調整する」という二段構えにしておけば、シラバス改訂にも追随しやすい学習法になります。
参考文献(個人ブログ・企業ブログ・書籍以外)
- 一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定とは」
https://www.jdla.org/certificate/general/ - 一般社団法人日本ディープラーニング協会
「『G検定(ジェネラリスト検定)』シラバス改訂および公式テキスト第3版刊行のお知らせ」
https://www.jdla.org/news/20240514001/ - OECD「AI principles」
https://www.oecd.org/en/topics/ai-principles.html - UNESCO「Recommendation on the Ethics of Artificial Intelligence」
https://www.unesco.org/en/articles/recommendation-ethics-artificial-intelligence
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