MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第3章 その83【アフィン行列の合成⑦】

MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第3章 その83【アフィン行列の合成⑦】 数値計算
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 第3章 その83【アフィン行列の合成⑦】

バックナンバーはこちら。
https://www.simulationroom999.com/blog/compare-matlabpythonscilabjulia3-backnumber/

はじめに

アフィン変換のアフィン行列の合成の話。
今回はMATLABで実施する。

登場人物

博識フクロウのフクさん

指差しフクロウ

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1

エンジニア歴8年の太郎くん

技術者太郎

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1

【再掲】プログラムで実現したいアフィン行列の合成

太郎くん
太郎くん

やっとプログラミングの話になったぁー。

フクさん
フクさん

実現したいアフィン行列の合成を再掲しておこう。
伸縮、移動、回転、剪断の順番で合成している。
といっても今回は、剪断は実施しないけど。

\(
\begin{eqnarray}
\begin{bmatrix}
x\prime\\
y\prime\\
1
\end{bmatrix}=
\begin{bmatrix}
1 & m_x & 0 \\
m_y & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
\cos(30^\circ) & -\sin(30^\circ) & 0 \\
\sin(30^\circ) & \cos(30^\circ) & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix} \\
\begin{bmatrix}
1 & 0 & T_x \\
0 & 1 & T_y \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
S_x & 0 & 0 \\
0 & S_y & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
x\\
y\\
1
\end{bmatrix}
\end{eqnarray}
\)

フクさん
フクさん

そして実際にはアフィン逆変換なので、以下の式を利用することになる。

\(
\begin{eqnarray}
\begin{bmatrix}
x\\
y\\
1
\end{bmatrix}=
\begin{bmatrix}
S_x & 0 & 0 \\
0 & S_y & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}^{-1}
\begin{bmatrix}
1 & 0 & T_x \\
0 & 1 & T_y \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}^{-1}
\begin{bmatrix}
\cos(30^\circ) & -\sin(30^\circ) & 0 \\
\sin(30^\circ) & \cos(30^\circ) & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}^{-1}\\
\begin{bmatrix}
1 & m_x & 0 \\
m_y & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{bmatrix}^{-1}
\begin{bmatrix}
x\prime\\
y\prime\\
1
\end{bmatrix}
\end{eqnarray}
\)

フクさん
フクさん

これをMATLABで実現する。

太郎くん
太郎くん

これを導出するまでが異様に長かった・・・。

MATLABコード

フクさん
フクさん

以下がMATLABコードになる。

canvas_expansion.m

function img = canvas_expansion(img, x, y)
    [H, W] = size(img);
    WID = W+x;
    HID = H+y;
    e_img = zeros(HID, WID);
    e_img(int32((HID-H)/2)+1:int32((HID+H)/2), int32((WID-W)/2)+1:int32((WID+W)/2)) = img;    
    img = e_img;
end

affine_transformation.m

function affine_img= affine_transformation(img, matrix)
    % 画像サイズ取得
    [hight, width] = size(img);
    
    % 中心を0とした座標系を生成
    x_axis = linspace(-1, 1, width);
    y_axis = linspace(-1, 1, hight);
    [xim,yim] = meshgrid(x_axis, y_axis);
    
    % 座標x',y',1の3次元ベクトルの配列
    % n(:)表記で列ベクトル化したあとに転置して行ベクトル化
    points = [xim(:)';yim(:)'; ones(1, size(xim(:),1))];
    
    % 変換元座標算出(アフィン逆変換)
    points_affine = matrix * points;
    
	% 画像と同一形状の2次元配列に変換元座標配列を生成
	dx = reshape(points_affine(1,:),[hight width]);
	dy = reshape(points_affine(2,:),[hight width]);
    
    % 変換元座標をピクセル位置に変換
    v = uint32(fix(min(max((dx+1)*width/2, 1), width ))); 
    h = uint32(fix(min(max((dy+1)*hight/2, 1), hight )));
    
    % 元画像と変換元座標を元に変換先へコピー
    affine_img = img(h+(v-1)*hight);
end

affine_transformation_test.m

function affine_transformation_test()
    img = imread('dog.jpg');
    r = img(:,:,1);
    g = img(:,:,2);
    b = img(:,:,3);
    
    % SDTVグレースケール
    img = uint8(fix(0.2990 * r + 0.5870 * g + 0.1140 * b ));
    
    img = canvas_expansion(img, 800, 800);
    
    sx = 1;
    sy = -1;
    tx = 0.5;
    ty = 0;
    theta = 150/180*pi;
    mx = tan(0/180*pi);
    my = tan(0/180*pi);
    
    scaling_matrix     = inv([ sx   0  0;
                                0  sy  0;
                                0   0  1]);

    translation_matrix = inv([ 1 0  tx;
                               0 1 -ty;
                               0 0   1]);
    rotation_matrix    = [ cos(theta) -sin(theta)  0;
                           sin(theta)  cos(theta)  0;
                                   0           0   1];
    
    shear_matrix       = inv([  1 -mx  0;
                               -my  1  0;
                                0  0  1]);
    
	matrix = scaling_matrix*translation_matrix*rotation_matrix*shear_matrix; %#ok<MINV>
    
    affine_img = affine_transformation(img,matrix);
    
    % グレースケール画像表示
    imagesc(affine_img);
    colormap(gray);
    
    % グレースケール画像の書き込み
    imwrite(uint8(affine_img), 'dog_affine.jpg');
end

処理結果

フクさん
フクさん

処理結果は以下。

アフィン行列の合成(MATLAB)、反転、移動、回転

考察

太郎くん
太郎くん

おー!
ちゃんとそれっぽい!

フクさん
フクさん

少し分かりにくいかもしれないが、
上限反転、中心から端までの距離の半分を移動、そこから150°回転

太郎くん
太郎くん

あまり気にしてなかったけど、回転行列に渡す角度は度数法じゃなくて弧度法か。

フクさん
フクさん

そうそう。
よって、180で割ってπを掛けている。

太郎くん
太郎くん

剪断はしてないけど、行列としては掛けてるね?

フクさん
フクさん

\(\tan(0)=0\)なんで剪断行列は単位行列と同じになる。
よって、掛けても何も変化がない。

太郎くん
太郎くん

なるほど。
そういう意味では最初に変換の順番が決まってるなら、
とりあえず各行列を掛けるような処理にしておいてOKってことか。

フクさん
フクさん

そうそう。

まとめ

フクさん
フクさん

まとめだよ。

  • MATLABでアフィン行列の合成を確認。
    • 問題無く動作。
  • 回転行列内の三角関数に渡す角度は度数法ではなく弧度法。
    • 180で割ってπを掛ける。
  • 変換しない際は単位行列になるようにしておけば、掛けても影響はない。

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