MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 その25【行列演算⑧】

MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 その25【行列演算⑧】 数値計算
MATLAB,Python,Scilab,Julia比較 その25【行列演算⑧】

バックナンバーはこちら。
https://www.simulationroom999.com/blog/compare-matlabpythonscilabjulia-backnumber/

はじめに

前回は内積の定義から。
内積は単なる計算方法であり、内積そのものにに意味はない。
ただし、相関性、類似成分抽出、方程式の別表現などの特性はある。

そして、その方程式に繋げるために余弦定理とかが必要。

登場人物

博識フクロウのフクさん

指差しフクロウ

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1

エンジニア歴8年の太郎くん

技術者太郎

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1

余弦定理

フクさん
フクさん

内積と方程式を繋ぐためには
余弦定理というものが必要なので、これを知ってもらおう。

太郎くん
太郎くん

うーん、なんか聞いたことはあるようなないような・・・。

フクさん
フクさん

Wikipediaが割としっかり解説してるな。
とりあえず引用しよう。

余弦定理(よげんていり、英: law of cosines, cosine formula)とは、平面上の三角法において三角形の辺の長さと内角の余弦の間に成り立つ関係を与える定理である。余弦定理を証明するために用いられる補題はときに第一余弦定理と呼ばれ、このとき証明される定理は第二余弦定理と呼ばれ区別されることがある。単に余弦定理と言った場合、第二定理を指す。

Wikipediaより(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%99%E5%BC%A6%E5%AE%9A%E7%90%86)
フクさん
フクさん

そして、Wikipediaにある通り、今回言ってる余弦定理は第二余弦定理の方で、
第二余弦定理は以下になる。

\(a^2=b^2+c^2-2ab\cos(\alpha)\)

太郎くん
太郎くん

というか、ここで出てくる\(a,b,c\)はなんだ?

フクさん
フクさん

三角形を形成する各辺を指している物だな。

太郎くん
太郎くん

うーん、そもそも余弦定理でハマってしまった感じだ・・・。

フクさん
フクさん

まじか。
線形代数の基礎の前に余弦定理の証明の話をした方が良いかもしれんな。

太郎くん
太郎くん

説明出来そうならお願いしたいかな・・・。

余弦定理の証明の前準備

フクさん
フクさん

まず、以下の頂点ABC、各辺の長さabcの三角形があるとする。
そして、頂点Cから垂直に底辺と交差する点をHとする。

三角形、A,B,C,H,a,b,c
太郎くん
太郎くん

つまり、直角三角形とかじゃない一般的な三角形ってことだね。

フクさん
フクさん

そして、abcでは以外の線の長さを求めると以下になる。

三角形長さ付き、A,B,C,H,a,b,c、CH=b sin(A)、AH=b cos(A)、AB-AH=c-b cos(A)

\(CH=b \sin(A)\)
\(AH=b \cos(A)\)
\(AB-AH=c – b \sin(A)\)

太郎くん
太郎くん

そうか、CHが垂直だから、三角関数を使って求められる線があるのか。

三角比の基本公式

フクさん
フクさん

あと、三角比の基本公式で以下がある。

\(\cos^2(\theta)+\sin^2(\theta)=1\)

太郎くん
太郎くん

足したら1になるの?

フクさん
フクさん

この公式は三平方の定理から求められる
半径1の円起動の点と原点をを元に作った直角三角形を考えると以下の図になる。

半径1の円起動の点をと原点を元に作った直角三角形、sin(θ)、cos(θ)、θ、1
フクさん
フクさん

円軌道の点を元にしているので、半径が1なので、
底辺は\(\cos(\theta)\)
高さは\(\cos(\theta)\)
となる。

太郎くん
太郎くん

なるほど。
あとは、三平方に定理に当てはめれば、さっきの基本方式になるのか。

フクさん
フクさん

そうそう。

余弦定理の証明

フクさん
フクさん

ここから一気に証明になる。

三平方の定理より

\(a^2=|\vec{BC}|^2=|\vec{CH}|^2+|\vec{BH}|^2\)
\(=(b \sin(A))^2+(c-b\cos(A))^2\)
\(=c^2-2bc\cos(A)+b^2\cos^2(A)+b^2\sin^2(A)\)

三角比の基本公式
\(\cos^2(\theta)+\sin^2(\theta)=1\)
を使用し、
\(c^2-2bc\cos(A)+b^2\cos^2(A)+b^2\sin^2(A)\)
\(=c^2-2bc\cos(A)+b^2(\cos^2(A)+\sin^2(A))\)
\(=c^2bc\cos(A)+b^2\)

よって、
\(a^2=b^2+c^2-2bc\cos(A)\)

太郎くん
太郎くん

おー、余弦定理が求まったぞ!

まとめ

フクさん
フクさん

まとめだよ。

  • 余弦定理を何とか証明。
    • 垂直線を使って2つの直角三角形を作ることで各辺を三角関数を使用した表現が可能。
    • 三角比の基本公式を加えると、余弦定理が求まる。
      • 基本公式は三平方の定理と半径1の円起動の点と原点をを元に作った直角三角形から求まる。

バックナンバーはこちら。

コメント

タイトルとURLをコピーしました