エレメンタルクロス ~精霊の剣~ 第56話 双天・星華

エレメンタルクロス ~精霊の剣~ 第56話 双天・星華 エレメンタルクロス ~精霊の剣~
エレメンタルクロス ~精霊の剣~ 第56話 双天・星華
エレメンタルクロス ~精霊の剣~
創作実験TOP作品紹介―― この剣はやがて、世界の向こう側にまで届く。 ―― 人が扱える精霊に、意志はない。火や光の力として術者に従う、粒子のような存在――それが、この世界の常識だった。白と黒。二種類の精霊を剣の形に固定する少年セトは、忌避…
エレメンタルクロス ~精霊の剣~ 第56話 双天・星華 人物相関図

※人物画像・相関図の転載、再配布、改変利用はご遠慮ください。

八翼の初動

 光の精霊王の額に相当する領域が白く膨らんだ。
 収束した光が、まっすぐセトへ向かってくる。
 セトは回避する方向を見定めた。
 ネアが黒い四翼を動かし、身体を射線からわずかに横へずらす。
 白い光が肩の脇を抜けた直後、一本だった線が無数に分かれた。

『散乱します。右上に隙間が』

 七つの黒い分霊核が、白い線のいくつかを外側へ曲げる。
 だが、すべてを逸らす必要はなかった。
 セトは二本の線の間へ身体を傾けた。
 間隔は身体が通る分しかない。
 黒い四翼が軌道をほんの少し持ち上げ、八翼は狭い空間を抜ける。

『残ったものは焼く!』

 シアが赤い翼から火を放った。
 前を塞ぐ一本が焼き払われる。
 その反動も推進力となり、セトは減速せずに飛び出した。
 肩をかすめた光から衝撃が入り、水の精霊回路が形を変えて受け流す。
 シアとネアの力は二本の剣の手前に留められ、必要な分だけがセトへ流れ込んでいた。

『今の隙間、わたしたちのどちらかだけなら通れなかったな』
『八翼でも、止まっていれば同じです』
「止まるつもりはない」

 セトが巨体の側面を指す。
 シアが速度を上げ、ネアがその速さを保ったまま進路を曲げた。
 敵の次の射線が前方に生まれた時には、八翼はすでに別の角度から近づいている。
 以前なら、あれほど広がる光は一度遠くへ退いてからやり過ごすしかなかった。
 今は射線を抜けるための小さな移動が、そのまま接近のための動きになる。
 速いだけではない。
 加速と方向の制御を別々に行える。
 三人は、八枚の翼を初めて一つの飛行として動かしていた。

炎天・星雨

『まずはどうする?』
「一人ずつだ。二人が今、どこまで力を出せるか確認したい」
『なら、わたしからだ!』

 七つの赤い分霊核がセトの右側に広がった。
 極炎の刀身にも同じ火が集まる。
 八つの射点は、巨体の右半分から頭部まで、それぞれ異なる位置を捉えた。
 光の精霊王が巨大な四翼を動かし、正面へ原光を集め始める。

『炎天・星雨!』

 八本の火が同時に放たれた。
 細く絞られた炎は赤い光線のように宇宙を走り、光の精霊王へ届く。
 巨体が一本を避けようと身を傾けた。
 その動きでほかの射線からは外れられない。
 七本が表面を貫き、遅れて残る一本が動いた場所へ食い込んだ。
 八つの穴の奥で火が広がり、内部の白い組織が崩れる。
 しかし、周囲から原光が押し寄せ、空いた穴を埋め始めた。

「もう戻すのか!」
『でも、効いてる!』

 再生途中の穴から、細い白光が撃ち返された。
 シアは赤い分霊核をそれぞれ動かし、複数の反撃を核へ引きつける。
 その間にネアがセトの進路を曲げた。
 八翼は白い光の間を斜めに抜け、巨体の反対側へ移る。
 火が壊した場所だけでなく、敵がどこから再生し、どの方向へ反撃するかも分かった。
 分霊核を追わせた白光は、最初にセトのいた場所を通っていった。
 射点を動かすだけでも、相手の狙う方向をずらせるらしい。
 セトは八つの穴が塞がる速さを見ながら、次に使う力を考えていた。

受けた側

『受ける側から見ると、相変わらず逃げ場のない攻撃ですね』

 絶光からネアの声が届く。
 セトは光の精霊王から距離を保ちながら、八本の火が残した跡を見た。

『一本を避けても、ほかの七本があります。守りを一か所へ集めれば、別の場所を貫かれます』
『一か月も受け続けた感想が、それか?』
『実際に受けたからこその感想です』
『効いてたのか?』
『かなり』

 短い返事にシアが満足した気配が伝わる。
 以前の二人は、相手を消すために同じ攻撃を向け合っていた。
 今は隣り合う剣として、その威力を確かめている。

「撃つ側の負荷も分かった」

 セトは右腕から胸へ戻る火の流れを確かめた。
 八門へ一度に通す反動は大きい。
 だが、ヴァルナが再構築した水の精霊回路は負荷のかかる場所に合わせて形を変える。
 一か所だけが焼き切れるような状態にはなっていない。
 それでも、負荷が消えたわけではなかった。
 精霊剣となった二人が引き受けた力まで、セトのものになるわけではない。
 自分の身体を通る分と、翼や核へ循環する分を見失えば、ここでの強さも長くは続かない。

「もう一度、同じものを撃てるか?」
『撃てる!』
「分かった。続けて撃つ必要はない。次はネアだ」
『はい。今度は戻る流れを見てください』

 七つの黒い分霊核が、まだ再生を続けている巨体を捉えた。
 セトは極炎と絶光を持ち直す。
 二人の力は混ざらない。
 だからこそ、どちらがどの負荷を生むかを分けて確かめられる。

月天・散華

 七つの黒い分霊核と絶光から、黒い線が伸びた。
 ネアが八つの射点を、火の開けた穴とその周辺へ割り振る。

『シアの命名にならうなら、月天・散華でしょうか』

 八本の黒い線が巨体を貫いた。
 ある線は、穴へ集まり始めた原光を奪う。
 別の線は組織を分解し、残る線が再生のために伸びた流れを縛る。
 光の精霊王の動きが鈍った。
 開きかけた巨大な四翼も、途中で止まりかける。
 赤い火で壊れた場所が、元の白い形へ戻らない。

『やっぱり嫌な技だな』

 シアの声には、かつてこれを受け続けた実感があった。

『受け止めれば力を持っていかれる。避けても、周りの流れを縛られて動けなくなる』
『シアは力を出して抜けようとするので、特に相性が悪かったですね』
『出さなければ、そのまま動けないだろ!』
『だから相性が悪いと言っています』
『わたしの火と比べて、どっちが嫌だった?』
『比べる必要がありますか?』
『ある』
『どちらも受けたくありません』

 言い合う間にも、巨体の奥で白い光が膨れ上がった。
 光の精霊王が取り込んだ原光を一気に押し出す。
 縛っていた黒い線が一本ずつ引きちぎられ、束縛から解けた四翼が散乱光を放った。
 セトはその線の密度を見て、広く逃げずに抜けられる場所を選ぶ。
 ネアが進路を細く曲げ、シアが前に残る白い線だけを焼く。
 八翼は散乱光の隙間を抜け、速度を保ったまま次の位置へ移った。
 ネアの拘束が破れたため敵の動きは戻ったが、その間に火の開けた穴は完全には塞がっていない。
 拘束を続けることはできなくても、破壊の効果を残す時間は作れていた。

二つの八門

『さすがに、あの大きさを止め続けるのは無理のようですね』
「でも、効いている」

 火が壊した場所を、月が戻さない。
 シアの八門は巨体の広い範囲を一度に焼き崩し、ネアの八門は原光を抜いて再生を遅らせる。
 かつて二人は、それぞれの技で互いを倒そうとしていた。
 今は同じ敵の弱点を探している。

「八つ全部を使った時の負荷も見えた。次は数を減らす」
『少なくすると、威力は落ちるぞ?』
「壊すだけならそうだ。でも、どこから再生して、どこから撃ち返すのか見たい」
『分かりました。観測しやすい位置を取ります』

 ネアが黒い四翼をわずかに動かす。
 八翼は白い巨体の正面から、右側面が見える位置へ滑るように移った。
 シアは加速の出力を落とし、砲撃の照準が定まる間だけ相対位置を保つ。
 停止して待つわけではない。
 光の精霊王の照準が合う前に、次の進路へ抜けられる距離を残した。

『何門使う?』
「赤を三門。右側だ」

 三つの赤い分霊核から火が走り、巨体の右側を焼いた。
 光の精霊王は右へ収束光を向ける。

「黒を四門。左から、少し遅らせろ」

 火の開けた傷へ防御が集まる前に、四本の黒い線が別の角度から入った。
 左側の原光が抜け、右に向かっていた収束光が途中で乱れる。
 セトたちは、その下へ抜けた。
 撃った位置へ反撃が返る前に移動したため、白い収束光はもう八翼を捉えていない。
 撃つ門数を減らしたことで、相手が力を移す順番まで見え始めていた。

三門と四門

 光の精霊王は、先ほどより早く四翼を開いた。
 セトが火の射点をそろえただけで、その方向へ原光を集めている。

「もう対応したのか」
『同じ場所へ撃っても、今度は通りにくいな』
「なら、赤を二門。黒を一門だけ正面へ」

 ネアが黒い一本を放つ。
 巨体はその線へ防御を集めた。
 わずかに遅れて、横からシアの二門が貫く。
 焼けた組織が白い塊となって吹き飛んだ。
 光の精霊王は、その塊までセトへ押し返してきた。

「崩れた部分まで飛ばしてくるのか!」
『そのまま返す!』

 シアが火を横からぶつけ、白い塊を砕く。
 だが、砕けた光の向こうには新しい収束光があった。
 直撃まで、もう大きく逃げる時間はない。

『少しだけ下へずらします』

 ネアが黒い四翼で進路を下げ、セトは身体を反らす。
 白い線は胸のすぐ上を抜けていった。
 その瞬間、シアが赤い翼で後方へ火を放つ。
 八翼は減速せず、射線の先へ飛び出した。
 敵から見れば、回避したはずの相手が以前より近くにいる。

 背後で光が散乱した。
 黒い三核が後ろへ回り、迫る細い線を左右へ分ける。
 残る一本だけを極炎で切り払い、セトは前進を続けた。
 衝撃が右腕から精霊回路へ戻ってくる。
 負荷が収まるまでの時間も、セトは見逃さない。

「まだいける」
『無理をしていませんか?』
「無理をするのは、まだ先だ」

 大きく逃げるほど、再び近づくための時間が必要になる。
 最小限でかわして前へ出れば、その時間を攻撃へ使える。
 セトは八翼の機動性を、ようやく自分の剣の間合いへ結びつけ始めていた。

頭部の内側

 セトは試射の結果を頭の中で並べ直した。
 火の八門では、広い範囲が一度に崩れた。
 月の八門では、崩れた場所の原光が抜け、再生が止まりかけた。
 門数を減らして撃つと、巨体は射点へ防御を集め、そこから反撃してきた。
 次の攻撃は同じ場所へ重ねない。
 必要な位置を確かめるためだけに射点を使った。

『あとどれくらい削ればいいんだ?』
『まだ元気いっぱいという感じですね』
「外側を削るだけじゃ終わらない」

 光の精霊王の表面は焼かれても戻り、黒い線を振り切っても別の場所から力が補われる。
 しかし、補う方向には偏りがあった。
 身体の右でも左でも、傷口から戻る太い流れは頭部の内側へ集まり、そこから各部へ送り返されていた。
 頭部がすべての力を作っているとは限らない。
 それでも、流れをまとめる中心になっている。

「やっぱり頭だ」
『最初に考えた場所ですね。核はあの中に?』
「まだ見えていない。でも、あそこが流れの中心だ」

 セトはわずかに進路を変え、巨体の額に相当する場所を正面から確かめた。
 周囲より強い白光が集まる。
 攻撃を受けると、別の部位より先に補修が始まる。
 守り方にも、核の候補という見立てと一致する部分があった。
 ただし、中心にあるからといって、そこを直接狙えば終わるとは限らない。
 頭部の表面は厚く、全身からの原光が補修へ回る。
 遠距離から一か所だけを撃ち続けても、核へ届く前に塞がれてしまうだろう。

『だったら、頭ごと消すか?』
「今の再生速度じゃ難しい。まず外側を崩して、中へ入る」
『誰が?』
「俺が行く」

 シアとネアから、ほぼ同時に反応が返る。

『セト一人でか?』
『私たちが剣のままでは、内側で別々に動けません』
「だから二人は人型に戻って、頭の左右から押さえてくれ。その間に俺が進む」

 巨大な頭部の前面が、ゆっくりこちらへ向いた。
 侵入するための一瞬を、外から作らなければならなかった。

一度だけ

『十四個の分霊核と、私たち二人。十六門ですね』
「そうだ」
『セトへの負荷は?』
「一発ならいける。二発撃てと言われたら厳しい」
『一発ならいけると理解した!』

 シアが即答する。
 ネアはセトの胸を流れる原光を確かめていた。
 八門ずつの試射で負荷を測ったとはいえ、十六門を同時に一つの流れへ束ねるのは初めてだ。
 水の精霊回路が柔軟でも、力そのものを消せるわけではない。

『撃ったあとも、相手が止まるとは限りません』
「そのために二人には左右から攻撃を続けてもらう。俺は額へ入る」
『私たちが精霊剣をやめたら、セトはこの空間を動けるのですか?』
「短時間なら可能だ。回路に残る力と、白刃と黒刃で進む」
『つまり、すぐ終わらせる!』
『終わらなければ、すぐ離脱してください』

 言葉の直後、巨体の額が白く光った。
 収束光がまっすぐ伸びる。
 セトは撃たれてから遠ざかるのではなく、射線が定まる前に進路を少し外した。
 ネアがその差を広げ、シアが後方へ火を放って前進を保つ。
 白い線が脇を通り過ぎ、背後で散乱した。

『上、今なら通れます』

 ネアが示す隙間へ、セトが身体を入れる。
 敵は再び照準を向け直すが、八翼はすでに前方へ抜けている。
 十六門を撃つには、敵の攻撃へ正面から付き合わず、こちらが狙う瞬間を選ぶ必要があった。
 撃つ一瞬を作れたとしても、その直後は三人の位置を分けることになる。
 だからセトは、砲撃の威力だけでなく、着地後に二人が頭部の左右へ移れる場所を探していた。

名前

『十六門砲撃の名前を先に決めませんと、撃つ瞬間に合わせられません』

 ネアが絶光から告げた。
 セトは右手の極炎、左手の絶光を順に見た。
 つい先ほどまでは、互いを消すために八門を向けていた二人だ。
 今は一つの巨体へ、十六門を合わせようとしている。

『名前がいるのか?』
『八門には付けたのですから、十六門だけ何もない方が不便でしょう』
「双天・星華」
『悪くない!』
『では、それでいきましょう』

 セトは改めて前方を見た。
 光の精霊王は、額に相当する面をこちらへ向けている。
 その四翼からも、身体の各所からも白い原光が集まり始めた。
 相手が攻撃をそろえる方が早ければ、十六門を構える前に撃ち抜かれる。
 セトは剣を構えたまま、敵の前面から離れる進路を選んだ。

「可能な限り、死角へ入る」
『あれに死角があるのか?』
「前と後ろは残ってる。気配は分かっても、あの大きさじゃ向きを変えるのは遅い」
『一瞬でも見失わせればいいのですね』
「そうだ。その時に全部をそろえる」

 セトはシアへ加速を、ネアへ進路の制御を任せた。
 八翼が開く。
 白い額が正面に見えていた次の瞬間、セトは巨体の下方へ回り込み始めた。
 名前は決まった。
 残るのは、その名を同時に放てる場所までたどり着くことだった。
 十六門を一度に放つ以上、準備に時間をかけていられない。
 シアとネアはそれぞれ核の位置を調整しながら、セトが合図を出す瞬間へ意識をそろえていく。

死角

 セトが下へ進路を取る。
 光の精霊王の額が下を向き、収束光を集めた。

「上だ!」

 シアが赤い四翼の推進を一瞬弱め、逆方向へ火を放って減速する。
 ネアが黒い四翼で進路を上へ折り、シアがすぐに再加速した。
 白い光が、それまで八翼の向かっていた下方へ伸びる。
 セトはその脇をかすめるように通り、巨体の上へ飛び出した。
 敵が上を追った時には、もう右へ向きを変えている。

 巨体の四翼から散乱光が広がった。
 二本、三本と線が重なり、前方の空間を細かく区切る。
 大きく逃げれば外へ出られる。
 しかし、それでは敵から遠ざかる。

『左前方に隙間があります』
「見えた!」

 セトは身をひねり、二本の白い線の間へ飛び込んだ。
 ネアが黒い翼で軌道を指一本分ほどずらす。
 一本は背をかすめ、もう一本は足元を抜けていく。
 シアは前を塞ぐ細い光だけを焼いた。
 八翼は進む方向を変えず、白い網の向こうへ飛び出す。
 光の精霊王が次の砲撃を放つ頃には、セトとの距離がまた縮まっていた。

『これ、蚊が急に消えるアレか?』
『消えてはいません』

 シアの妙な例えにネアが答える。
 セトは笑う余裕こそなかったが、言いたいことは分かった。
 敵から見れば、追ったはずの小さな相手が射線のすぐ脇から抜けてくる。
 速度では八翼が上回り、機動ではさらに差がついていた。

 光の精霊王は全身の表面を白く光らせた。
 前後を問わない広い放出が始まる。
 これには身体を少しずらすだけでは足りない。

『薄い場所を焼く!』
『右下です。そこだけ流れが遅れています!』

 シアが火で白い壁を割り、ネアが黒い翼で開いた隙間へ進路を導く。
 セトは二本の剣を身体へ寄せ、細い出口をくぐった。
 直後、額の向きが大きく外れる。
 巨体が八翼を追っている間に、八翼は頭部の背後へ移っていた。

「今だ」

 追尾を一瞬失った相手へ、十六門をそろえる機会が生まれた。

双天・星華

 十四個の分霊核がセトの周囲へ広がった。
 赤い七核は光の精霊王の前面から四翼の根元まで、破壊する部位に射線を分ける。
 黒い七核は、それらの部位へ原光を送り込む再生経路を捉えた。
 極炎と絶光も射点に加わり、赤八門と黒八門、計十六門。
 赤が組織を破壊し、黒が再生に必要な流れを断つ。
 同じ部位を撃つのではなく、破壊箇所とその再生経路を対にして狙う。
 どれか一つが遅れれば、相手はその隙に原光を集めて再生してしまう。
 セトは二つの剣を握り、流れを別々に保つ。

 光の精霊王が反応した。
 巨体の四翼が周囲の原光を集め、白い壁を厚くしていく。
 さらに、複数の場所で収束光が生まれた。
 十六門の照準がそろう前に、その一つがセトへ伸びる。

『防御は私が!』

 ネアが黒い翼と分霊核で、光の流れを外側へ曲げた。
 しかし、白い一本がなお肩へ迫る。

『まだ撃つな!』

 シアが赤い一翼の火で軌道をわずかにずらす。
 セトは身体を傾け、肩のすぐ脇を通す。
 大きく避けなかったため、十四核の配置は崩れない。
 流れてきた衝撃は、水の精霊回路が別々の道へ逃がした。
 赤い力と黒い力を混ぜない。
 どちらも止めない。
 流入量を自分で調整し、十六門のすべてへ道を開く。

「双天!」

 極炎と絶光の切っ先が、同時に巨体へ向いた。
 十四個の分霊核が位置を定める。
 通常なら、八門を撃つ者が二人いるだけだ。
 しかし今回はセトを介し、赤と黒の発射を同じ拍に乗せる。
 片方が命中した後にもう片方が撃つのではない。
 十六の作用を一度に成立させるための合図だった。
 赤と黒の線はまだ放たれない。
 三人の意識が同じ一瞬へそろった。

「星華!」

 十六門から、火と月の力が同時に放たれた。
 その一撃は、二人が別々に使っていた八門を、初めて一つの目的へ束ねたものだった。

十六の線

 八本の赤い光線が白い壁を貫いた。
 火は表面を突き破るだけではなく、巨体の内側へ流れ込み、広い範囲を焼き崩す。
 同時に、八本の黒い線が別の経路へ突き刺さった。
 巨体が損傷箇所へ原光を送り始める。
 だが、再生へ向かう流れを黒い線が奪い、分解し、縛りつけた。
 赤が組織を壊し、黒がその再生を阻む。
 それぞれ別の箇所へ作用し、一つの破壊を成立させていた。

 光の精霊王は流路を切り替えた。
 傷の周囲を回り込んで原光を運ぼうとするが、黒い線がその流れを妨げる。
 四翼へ力を集めて束縛を破ろうとすれば、赤い光線が翼の根元を貫いた。
 放たれた白光は別の赤い火とぶつかり、途中で崩れる。
 巨体の前面が裂け、額へ続く白い層が何枚も失われる。
 声ではない叫びが、原光の流れを通して三人へ響いた。

 その瞬間、十六門の反動がセトへ返ってきた。
 右腕からは火、左腕からは月の力。
 水の精霊回路が形を変え、二つを混ぜずに受け止める。
 それでも胸の奥へ強い負荷が残り、一瞬だけ飛行が揺らいだ。
 シアが推進を保ち、ネアが進路を安定させる。

『まだ動けるか?』
「動ける」
『頭部の再生が始まります』
「今しかない」

 セトは額に相当する場所へ視線を向けた。
 崩れた頭部の奥で、白い原光が新しい層を作り始めている。
 もう一度十六門を撃つ余裕はない。
 さきほどの負荷は回路の奥に残り、次の力を受け入れられる量を狭めている。
 威力で押し切る戦い方に戻れば、今度はセト自身が先に限界へ達する。
 しかし、いま開いた道なら、閉じる前に入れるかもしれなかった。

「いまだ! 突撃する!」

三つに分かれる

 セトが巨体の額へ向かって飛び込んだ。
 十六門の後で、八翼の力は安定していない。
 それでもシアの火が速度を保ち、ネアが再生しかけた白い層の隙間へ進路を合わせる。
 正面へ伸びた長い光の塊が、セトの行く手を塞いだ。

『減速する!』

 シアが赤い四翼を進行方向へ向け、火を放つ。
 速度が急に落ち、伸びてきた白光がセトの目前を横切った。

『下へ入ります!』

 ネアが黒い翼で進路を落とす。
 白い塊の下側を抜けた瞬間、シアが再び火を放った。
 セトは一気に距離を詰める。
 背後から散乱光が追ってきたが、七つの黒い分霊核がその流れを外へ曲げる。
 前方の薄い層は赤い七核が焼き開いた。

「あと少し!」

 額の表面が迫る。
 この速度のままでは、狙った位置を通り過ぎてしまう。
 シアが逆向きに火を放ち、ネアが横へのずれを抑えた。
 推進力を一気に失わせるのではなく、着地までのわずかな距離へ減速を合わせる。
 セトは二本の剣を握ったまま、足を額の広い面へつけた。

「今だ!」

 右手の極炎が赤い光へほどけた。
 左手の絶光も黒い光へ変わる。
 シアとネアが、それぞれ人型へ戻った。
 赤い四翼が右へ、黒い四翼が左へ広がる。
 七つずつの分霊核も二人の周囲へ分かれた。
 八翼が一体として飛んでいた時間は終わった。
 だが、セトが予定した位置には、三人がそろっていた。
 ほんの少し減速が遅れていれば額を越え、速すぎれば閉じかけた外層へぶつかっていた。
 八翼の機動性が高くても、どこへ止まるかを選ぶのはセトの仕事だった。

見えない三体目

 光の精霊王から見れば、額へ降り立った一つの八翼が、赤と黒の二体へ分かれたように見えた。
 その二体が、着地と同時に左右へ飛ぶ。
 巨体の前面はシアとネアを追い、赤い火と黒い線が放たれる方向へ向きを変えた。
 三体目は、標的として認識されていない。
 額へ残ったセトからは、四翼のような大きな力が出ていなかった。

 シアは頭部の右側を離れ、巨大な肩の上まで駆け抜けた。
 七つの赤い分霊核がシアを追い、八門の火が側面を焼く。
 ネアは反対へ回り込み、頭部の左から巨体の背後へと高度を変えた。
 黒い七核が放つ線が原光を奪い、再生の流れを断つ。
 二人は額の近くに留まらない。
 巨体を挟んで広く位置を変えるたび、光の精霊王の照準は左右へ引き裂かれた。

 収束光がシアを追う。
 シアは急上昇して射線を外し、飛び出した先から火を返した。
 ネアには散乱光が広がる。
 ネアはその線を外へ曲げながら反転し、今度は頭部の下方へ回る。
 大きな四翼が二人を追って動き、巨体の前面まで向きを変えた。
 敵の注意は、目立つ二つの精霊王へ向けられている。

 その中央で、セトは原光の流れを見た。
 四翼を追って太い流れが右へ左へ動くたび、額の内側に通じる筋が浮かび上がる。
 セトは右手へ白刃を、左手へ黒刃を作った。
 二人が離れたことで、外側の攻撃が中央から遠ざかる。
 狙いどおり、セトのいる額へ収束光は向けられていなかった。
 八翼だった三人が、それぞれの役割で動き始めた。
 セトは人型の原型へ通じる流れを見失わないように、そのまま前へ踏み込んだ。

巨体の内側

 足元を通る太い原光の流れが、額の内側へ続いている。
 セトはそれを追った。

「流れは何度も確認した」

 白刃を振り下ろす。
 額の表面が裂け、奥へ向かう細い道ができた。
 黒刃を差し込み、戻ろうとする原光を外へ散らす。

「お前は、この先にいる」

 光の精霊王が気づくより先に、セトは裂け目へ身体を滑り込ませた。
 八翼の循環はない。
 真空の中で、一人で動ける時間も限られている。
 背後で白い組織がつながり、入ってきた道はすぐ閉じた。
 頭部の内側には、巨大な白い組織が何重にも重なっていた。
 距離を測るより、原光が集まる方向を見失わないことが大切だった。
 セトは送り出す流れと戻る流れの交差する先へ進んだ。

 その組織の間を流れる原光は複雑に枝分かれし、前後も上下も分かりにくい。
 細い線が腕へ巻きつこうとした。
 セトは黒刃を傾け、線の流れを横へ逃がす。
 続いて前方の層を白刃で開いた。
 同じ切断を繰り返すつもりはない。
 流れの戻る方向を変えたことで、道の先にある中心が少しずつ近づく。

 外側から、シアの火が巨体へぶつかる衝撃が伝わった。
 別の方向でネアが原光を奪い、セトの周囲へ押し寄せていた力がわずかに弱まる。
 二人は離れた位置で戦いながら、敵の注意を引きつけてくれている。
 セトは最後の白い層へ近づいた。
 そこでは外へ向かう太い流れと、内側へ戻る流れが交差していた。
 白刃を突き立てると、層の向こうに小さな人影が見えた。
 額の広さと比べれば小さな領域だったが、外側から読み取った流れはすべてそこへ集まっている。
 セトが追っていたのは、最初からこの一点だった。

人型の原型

 太い流れの中心には、人の形があった。
 肥大化した巨体と比べれば、あまりに小さい。
 手足と顔を持ち、白い組織へ縫い止められるように固定されている。
 その身体から伸びる無数の筋が、外側の巨大な肉体へつながっていた。
 ここから光の精霊王の全身へ、原光が送り出されている。

「見つけた……」

 人型の目は閉じ、口も動かない。
 それでも全身から広がる原光は、ゆっくり脈打っていた。
 セトは白刃と黒刃を構え、一歩踏み込む。
 その瞬間、人型の目が開いた。
 足元から細い白光が伸び、避ける前に両脚へ絡みつく。
 腰と胸にも次々と巻きつき、身体を固定した。

「しまった!」

 セトは白刃を振ろうとした。
 しかし、右腕が動かない。
 黒刃を当てた部分は消せても、別の場所から次の帯が伸びてくる。
 拘束を解くより早く首元へ白い線が迫った。
 人型の背後に光が集まり、細い刃となってセトへ向く。
 その光の流れを黒刃でずらしたくても、腕ごと止められていた。

 胸を締める力が強まった。
 水の精霊回路が圧迫され、外から受け取れる原光の流れも細くなる。
 このままでは、剣を握る力まで奪われる。
 セトは拘束を受ける場所を確かめた。
 一本なら断てる。
 しかし一つの動作に使える時間がない。
 外で戦う二人へ異常が伝わるよう、残るつながりに意識を集中させた。
 八翼だった時ほど明瞭ではない。
 それでも、互いの力を預け合った二人との感覚が完全に途切れたわけではなかった。
 自分一人では動けない状況を、その細いつながりに託した。

六つの分霊核

 シアとネアへ、セトの異常が伝わった。
 二人は巨体の離れた位置で攻撃を続けながら、内部へ意識を向ける。
 原光のつながりを通じて、セトが拘束されている感覚が届いた。
 シアが叫び、ネアもすぐに状況を察した。

「セト!」
「捕らえられました!」

 二人はすぐに内側へ向かおうとした。
 しかし、光の精霊王の四翼が動き、左右から収束光が進路を塞ぐ。
 ここで二人とも攻撃を止めれば、敵の注意が再びセトへ集まる。
 シアとネアは、その場でそれぞれ三つの分霊核を選んだ。
 シアが叫び、ネアも核へ同じ指示を与えた。

「分霊核、行って!」

 赤い三核と黒い三核が、離れた二人のもとから巨体へ飛び込んだ。
 通常の戦闘なら、核は所有者の近くで精密に動かす。
 だが、今は指定した相手へ送り届けるだけでいい。
 二人は大まかな進路を与え、あとはセトに任せた。
 六核が白い組織の隙間を走り、拘束されたセトの周囲へ集まる。
 セトは到着した核を水の精霊回路で捉え、細かな位置と力の操作を引き受けた。
 所有者は変わらない。
 ただ、この一瞬の制御をセトに預けたのだった。

 外ではシアとネアが、残る四核ずつで攻撃を続ける。
 本人を含めて五つずつの射点。
 八門より少ないが、広く動きながら光の精霊王の反応を引きつけるには十分だった。
 敵の四翼は二人を追い続け、内部のセトへ注意を戻せない。

 セトは、六核から届く力を感じた。
 どちらも何度も受け入れてきた精霊力だ。
 八翼として戦った間、精霊翼へ力が巡る様子も見続けている。
 人間の回路で同じ循環を完全に再現することはできない。
 それでも、核の位置も力の流れも自分で調整できる今なら、一瞬の形は作れるかもしれない。

「一瞬だけだ!」

一瞬の四翼

 セトは六つの分霊核を自分の周囲へ配置した。
 赤い三核を右側に、黒い三核を左側へ動かす。
 それぞれの精霊力を別の流れとして通し、水の精霊回路の形を合わせていく。
 セトの背後に、赤い二翼と黒い二翼が開いた。
 四枚とも不安定で、輪郭が何度も揺らいでいる。
 シアとネアの四翼とは違う。
 六つの分霊核を支点として、見たばかりの流れを一瞬だけ模したものだった。

 それでも、巨体の外に広がる原光とのつながりが生まれた。
 胸を締める白い帯が、内側から押し返される。
 セトは肩をひねり、わずかに緩んだ右腕を動かした。
 一本が裂けた。
 さらに赤い二翼が拘束へ火を押し込み、黒い二翼が人型から伸びる光を横へ逸らす。

 残る帯が引きちぎれた。
 人型の背後から細い光が撃ち込まれる。
 セトは黒い二翼の向きを変え、刃を持つ腕から外した。
 しかし、模した翼の端はすでに崩れている。
 長く保てないことは、セト自身が一番よく分かっていた。
 精霊王の四翼なら外界との循環を安定して続けられる。
 しかし、セトの背中にあるのは借りた力と観測した構造を無理に重ねたものだ。
 流れが少しでも乱れれば、翼としての形は失われる。

「これ以上は、もたない!」

 セトは白刃と黒刃を構え直した。
 後退のためではない。
 人型との距離は、一歩踏み込めば届く。
 自分の作った翼が消える前に、その一歩を使う。

 人型は逃げなかった。
 正面へ何層もの防御を重ね、足元へ次の拘束を伸ばしている。
 セトが二本の刃を構え直しても、その場から動こうとしない。
 この攻撃ならば受け止められる。
 受け止めた後、もう一度捕らえればよい。
 人型はそう判断したのだろう。

 セトは二本の刃を振り上げた。
 模倣の四翼が崩れる瞬間と、剣が人型へ届く瞬間が重なる。

極剣・絶剣

 セトは防御の層を見た。
 白刃では厚い原光をすべて切り抜けない。
 黒刃でも、一度に無効化できる量には限りがある。
 人型はそれを見越したように、正面から動こうとしなかった。

 以前、セトは身体の安全制限を外し、精霊回路を壊した。
 今の回路はヴァルナが水の精霊王の構造を重ねたものだ。
 入ってくる力に合わせて形を変え、火と月を別々の道へ通すこともできる。
 だが、それは無制限に耐えられるという意味ではない。
 限界を越えた状態が続けば、また壊れる。

「極剣! 絶剣!」

 セトは二本の刃を振る直前、一瞬だけ安全制限を外した。
 黒刃が絶剣へ変わり、人型の前に重なった防御へ触れる。
 防御を支えていた原光の流れが、まとめて失われた。
 白刃が極剣へ変わる。
 守りを失った肩口から脇へ、白い刃が深く走った。

 人型の身体が大きく裂ける。
 そこから外側の巨体へ伸びていた無数の流れが、一斉に途切れた。
 セトはすぐに制限を戻す。
 極剣と絶剣が、白刃と黒刃へ戻った。

 模した四翼も形を崩し始める。
 セトは四翼へ通していた力を戻し、外界へ広げた原光の流れから切り離そうとした。
 その瞬間、胸の奥を強く引かれた。
 外へ伸ばした流れが、予想以上の力でセトの回路を引っ張っていた。
 ここで強引に断てば、回路を傷つけかねない。
 セトは流れを少しずつ絞り、つながりを一つずつ解いていった。
 最後の流れが途切れると、四翼は砕けて消えた。
 セトは荒くなりかけた原光の流れを、必死に整えた。
 丁寧に解除できたはずだが、胸の奥に妙な違和感が残っている。
 セトは自分の精霊回路を確かめた。
 回路に損傷はない。形も保たれている。
 ただ、胸の奥に近いほんの一部分だけ、原光の流れが異様に乏しかった。
 周囲には十分な原光が巡っているのに、そこだけがほとんど枯渇している。
 セトは水の精霊回路の形をわずかに変え、周囲の原光をその部分へ通した。
 流量を調整すると、そこにも原光が巡り始めた。

 胸の違和感は、すぐに収まった。
 それでも、胸へ残った負荷は大きい。
 強大な力を出し続けたのではない。
 防御を破り、原型との接続を断つためだけに、危険な一瞬を使った。
 人型の動きが止まっても、勝利を確かめるまでは剣を下ろせない。
 セトは精霊回路の流れが安全範囲へ戻ったことを確かめた。
 続けて、人型と巨体を結んでいた原光の流れが、再びつながらないかを見張った。

残った力

 セトは六つの分霊核への細かな制御を解いた。
 遠くで二人が回収を命じると、赤い三核はシアへ、黒い三核はネアへ向かって飛び去った。
 切り裂かれた人型は、もう動かなかった。

「倒したか……」

 セトは精霊力の流れを確かめた。
 原型から外側の巨体へ、新しい力は送られていない。
 人型と外側を結ぶ接続が断たれたのは確かだ。
 しかし、周囲を満たす白い原光は止まらなかった。
 肥大化した肉体の内側には、これまでに取り込まれた膨大な力が残っている。

 行き先を失った流れが巨体の中でぶつかり、白い組織を内側から押し広げた。
 外側の四翼も形を崩しながら動いている。
 新しい力が供給されなくても、残された力が消えるには時間がかかる。

「まだ力だけが残ってる!」

 セトは閉じかけた白い層を白刃と黒刃で切り開き、額の外へ抜けた。
 シアとネアは左右に離れたまま、まだ光を引きつけている。

「シア! ネア!」

 二人がすぐ中央へ戻る。
 赤と黒の光が、セトの両手へ集まった。
 右手に極炎。
 左手に絶光。
 赤い四翼と黒い四翼が背後へ開き、十四個の分霊核が再び周囲へ並んだ。

 セトは八翼の力で、光の精霊王だった巨体から距離を取る。
 頭部の核は倒した。
 それでも、白い巨体はなお動き続けていた。
 残された力が、まだ消えていなかった。
 核へ新しい原光が集まることはない。
 それでも肥大化した身体のあちこちで白い流れが衝突し、別々の方向へ噴き出している。
 三人は崩れていく巨体を見ながら、次に何が起きるかを確かめようとしていた。


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エレメンタルクロス ~精霊の剣~
創作実験TOP作品紹介―― この剣はやがて、世界の向こう側にまで届く。 ―― 人が扱える精霊に、意志はない。火や光の力として術者に従う、粒子のような存在――それが、この世界の常識だった。白と黒。二種類の精霊を剣の形に固定する少年セトは、忌避…

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