【上流検証】最小構成のモデルベース開発事例 その22【ネットワークMILS①】

【上流検証】最小構成のモデルベース開発事例 その22【ネットワークMILS①】 事例

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はじめに

前回までSimulinkモデルに関する話はおおよそ終了。
今回からはそれをどう流用していくかの話へシフト。

登場人物

博識フクロウのフクさん

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1

エンジニア歴8年の太郎くん

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1

インターフェース仕様変更?

太郎くん
太郎くん

た、大変だーーー!!

フクさん
フクさん

ど、どうしたの?!

太郎くん
太郎くん

やばい!やばい!やばい!

フクさん
フクさん

ちょ、落ち着きなって!

~太郎くんが我に返るまでに10分~

太郎くん
太郎くん

APコントローラのインターフェース仕様が変わった・・・。

フクさん
フクさん

それはもう開発の前提がひっくり返ったんで無理ですってお断り方向かな。

太郎くん
太郎くん

僕もそう言ったんだよ!
そしたら上司が、
「あー、インターフェースが変わるだけで内部のロジックは変わらないんですね。だったら現状の成果物を流用できますし、なんとかなりますよ。はははは!」

太郎くん
太郎くん

「はははは!」じゃねーYO!!

フクさん
フクさん

(すげー。超キレてる。)

太郎くん
太郎くん

というわけで助けて。

フクさん
フクさん

(すげー。超切り替え早い。)

インターフェースはCANに変更

フクさん
フクさん

で、

具体的にどういうインターフェースに変わったの?

太郎くん
太郎くん

CANっていう車載ネットワークらしいんだけど。

フクさん
フクさん

あー、CANね。

太郎くん
太郎くん

当然、ハードウェアは作り直し。
まぁその点は元請けもエンドの方も了承しているんだけど、
一点厄介な要求が・・・。

フクさん
フクさん

なに?

CANのシミュレーション要求

太郎くん
太郎くん

顧客「実際のハードウェアが遅れることはOKだが、こっちも並行して開発を進めている。
よって、疑似的な環境で良いのでCANでシミュレーションしたものを今回の納品物とする。」

上司「は、はい!!それは当然対応させて頂きますぅ!。」
だって。

フクさん
フクさん

(く、腐ってやがる。)

フクさん
フクさん

要は、

疑似的に同様のアルゴリズムで制御情報をCANで送受信する環境を別に構築しないといけないと。

太郎くん
太郎くん

その通り!
なんか裏技とか必殺技とかない?

フクさん
フクさん

(必殺技?上司を必殺するのかな?)

CANシミュレーションの対応方法

フクさん
フクさん

まぁ有ると言えばあるね。

太郎くん
太郎くん

それを教えて!

フクさん
フクさん

CANのシミュレーションをすれば良いから、CANインターフェースを持ったラピッドコントローラを買ってくるってのが一般的だね。

太郎くん
太郎くん

ラピッドコントローラかぁ。
聞いたことあるけど、簡単に使えそう?
あと値段とかは?
上司からは
200万円くらいまでだったらなんか買って良いよ」
とは言われているけど。

フクさん
フクさん

200万円かー。

ちょっと厳しいな。

ラピッドコントローラだと300万円は欲しいところかも。
じゃーもう一個の案として、
車載ネットワークシミュレータあたりを落としどころにするか。

太郎くん
太郎くん

車載ネットワークシミュレータ?
具体的にはどういうもの?

フクさん
フクさん

まぁ有名どころというか、
環境構築までの時間を考えると、
ほぼこれ一択になるんだけど。

太郎くん
太郎くん

うんうん。

フクさん
フクさん

Vector社のCANoeだな。

CANoe - マルチバスに対応したECUネットワークと単体ECUの開発、テストツール
ベクターのCANoeは、ECUネットワーク全体と単体ECUの開発、テスト、解析のための万能ツールです。プランニングから分散システム全体および個々のECUの立ち上げまで、開発プロセス全体を支援します。
太郎くん
太郎くん

!?!。

実企業名と実製品名が出た!?

もしや今回は企業案件なのか?!

フクさん
フクさん

いや、別に企業案件とかじゃないよ。
Vector社からは1円も貰ってない
私は単なる1ユーザに過ぎない

太郎くん
太郎くん

でも、CANoeってCANの回線をモニタするツールじゃないの?

フクさん
フクさん

CAN回線モニタはCANoeの一機能だな。
CAN回線モニタだけしたいならば、CANalyzerって製品の方が費用的には良いかもね。

CANalyzer | ECUおよびネットワーク解析ツール
ベクターのCANalyzerは、バス通信の解析およびスティミュレーションを行うことのできる包括的なソフトウェアツールです。
太郎くん
太郎くん

んー、

CANoeはCANalyzerの上位版って感じ?

フクさん
フクさん

うーん。

ちょっとそこは分からないな。
CANoeはネットワークシミュレーションを目的にしていて、
CANalyzerはネットワーク解析とちょっとしたテスト用のアクションを目的にしている印象。
機能的にはCANoeの方が上位である傾向はあるかな。

太郎くん
太郎くん

んで、

今回のシミュレーションとかは普通にできそう?

フクさん
フクさん

うん。

SimulinkモデルをCANoeに組み込んだりも出来るんで、
今回の件にはすごく向いてるんじゃないかな。

太郎くん
太郎くん

分かった。
実際の構築作業は次回として、
ちょっといろいろ調べながら必要なものを手配するよ。

まとめ

フクさん
フクさん

まとめだよ。

  • 制御とインターフェースを分けたことで、インターフェースだけを差し替えるということは可能。
    • だたし、簡単かどうかは別問題。
  • Simulinkモデルがあればラピッドコントローラで疑似的なECUを作ることは可能。
    • CANに限定するならば、車載ネットワークシミュレータを使用することも可能。

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