【TI】モデルベース開発とモータ その5【TN】

【TI】モデルベース開発とモータ その5【TN】モーター

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はじめに

モデルベース開発に於いては、リアルさを求めることは重要だが、そのリアルさの取捨選択も重要と学んだ太郎くん。
今回はモータのスペックシートの読み方を覚えることになる。

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登場人物

博識フクロウのフクさん

イラストACにて公開の「kino_k」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=iKciwKA9&area=1

エンジニア歴8年の太郎くん

イラストACにて公開の「しのみ」さんのイラストを使用しています。
https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=uCKphAW2&area=1

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モータのスペックシート

フクさん
フクさん

早速だけど、

モータのスペックシートを見てみようか。
ちなみに、

今使ってるモータとかある?

太郎くん
太郎くん

あー、

上司に渡された本と学習キットがあるよ。

フクさん
フクさん

どれどれ。
マブチモータ製のFA-130RA-2270を使用しているようだね。
早速マブチモータのサイトを見てみよう。

太郎くん
太郎くん

ここに性能表ってのが載ってたよ。

FA-130RA-2270|マブチモーター株式会社 製品検索
FA-130RA-2270の詳細情報です。マブチモーターオフィシャルサイト。小型直流モーター世界No.1ブランドとして、人々や社会の「夢」を実現する製品づくりを支えます。
MODEL、FA-130RA、VOLTAGE、OPERATING RANGE、NOMINAL,NO LOAD、SPEED、CURRENT、AT MAXIMUM EFFICIENCY、TORQUE、OUTPUT,STALL
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最大効率時の変換効率を求める

太郎くん
太郎くん

これだけでなんかわかるの?
電圧は最大\(3.0[V]\)ってのは分かるけど。

フクさん
フクさん

そーだねー。
まず、AT MAXIMUM EFFICIENCYのSPEED、CURRENT、TORQUEから見てみよう。

太郎くん
太郎くん

SPEEDが\(6990[r/min]\)、

CURRENTが\(0.66[A]\)、

TQRQUEが\(0.59[mN・m]\)

ってなってるね。
これは何を表しているの?

フクさん
フクさん

最大効率時のトルクが、\(0.00059[N・m]\)
最大効率時の回転数が、\(6990[r/min]=6900×2π÷60[rad/sec]=722.568[rad/sec]\)

太郎くん
太郎くん

おー、

前々回の回転数と角速度の関係だね。

フクさん
フクさん

よって、
最大効率時の動力\(P\)は、
\(0.00059[N・m]× 722.568[rad/sec]= 0.42631512[W]\)
AT MAXIMUM EFFICIENCYのOUTPUTが\(0.43[W]\)なので、これと同等と見て良いだろう。

太郎くん
太郎くん

トルク×角速度で

極座標系の仕事率になるんだよね。

フクさん
フクさん

上記に加えて、
最大効率時消費電流が\(0.66[A]\)
電圧の最低定格が\(1.5[V]\)
よって、最大効率時電力は
\(0.66[A]×1.5[V]=0.99[W]\)
そして動力と電力の比率を求める。
\(0.42631512[W]÷0.99[W]=0.43062133333333335[W]\)

太郎くん
太郎くん

なんかすさまじい計算が始まっている。

フクさん
フクさん

このモータはどう頑張っても指令出力(電力)の\(43[\%]\)しか出力しない。
つまり、最大効率時の効率が\(43[\%]\)となる。
というような推測ができる。

太郎くん
太郎くん

ほー。

フクさん
フクさん

あとは、T-N特性とT-I特性かな

太郎くん
太郎くん

なにそれ?

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T-N特性とT-I特性

フクさん
フクさん

T-N特性はトルク\(T\)と回線数\(N\)の関係性を示したもので、
T-I特性はトルク\(T\)と電流\(I\)の関係性を示したものになる。

太郎くん
太郎くん

うーん、

言葉だけだとイメージ湧かないなぁ。
いつもみたいに、

さっと絵が出てきたりしないかなぁ。

フクさん
フクさん

(絵を書くのも簡単じゃないんだけどなぁ)

フクさん
フクさん

一応用意したよ。

無負荷回転数、最大効率回転数、最大効率トルク、指導トルク、始動電圧、最大効率電流、無負荷電流
太郎くん
太郎くん

そうそう。こういうの。
トルクと電流が比例関係で、

トルクと回線数が反比例の関係になるのかー。
そういえば、トルクと電流は比例関係だって以前に聞いたねー。

太郎くん
太郎くん

あれ?

T-I特性ってちょっと浮いてない?

トルクと電流は完全な比例関係じゃないの?

フクさん
フクさん

トルクと電流が比例関係になるのはロータトルクと電流の場合で、

モータトルクになると、

モータの構造上の問題で若干バイアスが生じるんだ。
ちなみにロータは回転子とも言って、

モータの中で回ってる部分を指す。
回転していない方を固定子、ステータと言ったりする。

太郎くん
太郎くん

なるほどー。

フクさん
フクさん

今回のモータの場合、トルク定数\(K_T\)は\(0.001275\)になるね。

太郎くん
太郎くん

あー

バイアスが\(0.2[V]\)だから、

トルクと電流の関係が以下になるからだね?
$$T_m=K_T (I_m-0.2[A])$$
$$K_T=\displaystyle \frac{T_m}{I_m-0.2[A]}$$
そして、最大トルクが\(2.55[mN・m]\)で、その時の電流が\(2.2[A]\)だから、
$$K_T=\displaystyle \frac{0.00255[mN・m]}{2.2[A]-0.2[A]}$$
$$K_T=0.001275$$

フクさん
フクさん

大正解。

フクさん
フクさん

まぁ特性に関しては、

温度とか劣化とかで変化するものなので、

完全に理論通りとは行かないけどね。

太郎くん
太郎くん

それは良く分かる。

よく劣化推定とかの謎仕様を見かけるから、

みんな苦労してるんだろうなぁとは思ってるよ。

フクさん
フクさん

ついでだから、

最大効率点と最大出力点にも触れておこうか。

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最大効率点と最大出力点

太郎くん
太郎くん

さぁ絵を出したまえ。

フクさん
フクさん

はいはい。

トルクT[mN・m]、T-I特性[A]、T-N特性[rpm]、出力P[mW/10]、効率μ、FA-130RAモーター特性、最大効率点、最大出力点
太郎くん
太郎くん

あ、

線が増えてる。

効率と出力が算出できるんだ。

フクさん
フクさん

その通り。

まず出力は「トルク×角速度」なので、

T-N特性が分かっていれば算出できる。
まぁ回転数から角速度に変換する必要はあるけどね。

効率は出力と電力の割合なので、電力が分かれば算出できる。
電力は「電圧×電流」で電圧は定格の1.5[V]固定として

電流はT-I特性から持ってきている。

太郎くん
太郎くん

すごいなぁ。

たったあれだけのスペックシートの情報でここまで出せるんだー。

フクさん
フクさん

でも、

最初の内はあんまり考えなくても良いかもね。

太郎くん
太郎くん

なんで?

フクさん
フクさん

これらの数値は計測困難なもので、

制御する際の直接的な目標値にはならないんだよ。

太郎くん
太郎くん

確かに、

大体回転数とか速度が目標値になってるね。

太郎くん
太郎くん

じゃあ、

どういうときに使うものなの?

フクさん
フクさん

目的次第だね。
例えば、

  • 常に大きな仕事をするために、最大出力を維持する制御
    • 建機とか。
  • 保有エネルギー最大活用をするために、最大効率を維持する制御
    • 電気自動車とか。
  • 装置が壊れないようにするために、最大電流(トルク)を制限する制御
    • パワーウィンドウとか
  • 加速感を制御するために、特定電流(トルク)を維持する制御
    • これも電気自動車かな?

と言う感じで目的に応じた中間的な目標値にはなり得る。

太郎くん
太郎くん

なるほど。

確かに目的次第だ!

フクさん
フクさん

とりあえず、

しゃべれることは全部しゃべったつもりだ。

太郎くん
太郎くん

ありがとうフクさん。

すごく勉強になったよ!

フクさん
フクさん

あとは、

やりながら、悩みながらでやっていくと良いよ。

太郎くん
太郎くん

うん。わかった。

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まとめ

フクさん
フクさん

まとめだよ。

  • モータのスペックシートは予想以上にあっさりしていることがあるが、それを元に様々な特性を算出できる
  • 直接計測できない物理量が算出できるが、これを制御に利用するかは目的次第。

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コメント

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