召喚士が召喚した召喚士~基礎から始める召喚マネジメント講座~TOPへ

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
※このあとがきには、本編第一部および番外編に関するネタバレが含まれます。未読の方は、読了後にお読みいただけるとありがたいです。
この作品で最初に書いたのは、本編でいう第0話にあたる部分でした。
そもそものきっかけは、ちょっとした疑問です。
ファンタジーでは「竜が財宝を守っている」という設定はよくあります。
でも、その財宝が腐食したらどうなるのか。
長い年月の中で変質したらどうなるのか。
竜がうっかり踏みつぶしてしまった場合、それは守護失敗になるのか。
そんなことを考えているうちに、超まじめな赤竜、ヴァルグの設定が生まれました。
次に考えたのが、第14.5話にあたる部分です。
この超まじめ赤竜から、何かを盗むとしたらどうすればいいのか。
盗むこと自体は、極限まで技量の高い盗賊なら可能かもしれない。
けれど、相手は超まじめな竜です。おそらく、盗まれたことには気づく。
そうなると、これは事件になる。
では、その事件を第三者がどうやって解決するのか。
この赤竜を、どうやって説得するのか。
そんな順番で、設定が少しずつ作られていきました。
当初、この作品の仮称は「赤竜の契約」でした。
ただ、どうにも個性が弱いというか、少し物足りない。
契約と言えば召喚。
では、召喚士の話にしよう。
そう考えました。
ただ、召喚というものも、よく考えると分からないことが多いです。
呼び出すとはどういうことなのか。
呼び出すための理屈は何なのか。
呼び出した後、どう維持するのか。
どう指揮するのか。
そもそも、召喚対象との関係はどうなっているのか。
ならば、まじめに召喚士になったつもりで考えてみよう。
そうして、今作の召喚士設定が生まれました。
では、この超まじめ赤竜問題に対応する召喚士は、どんな人物がよいのか。
契約、召喚、運用、行政、交渉。
それらを全部扱う必要がある以上、普通の召喚士では成立しません。
そこで生まれたのが、王国最高位召喚士メルセナです。
ただ、メルセナだけで話を進めると、おそらく淡々と事件が処理されて終わります。
読者側からすると、何がすごいのか分からないまま、気づいたら解決している可能性が高い。
そこで、一人、未熟な召喚士を挟むことにしました。
それがリオルです。
リオルは、読者の観測点です。
基本的にはいろいろ未熟です。
ただ、それだけでは物語上の価値が薄いので、彼には一つだけ特殊な資質を持たせました。
それが、関係性を広く持てるという謎の資質です。
鳥やハツカネズミのような小さな相手と関係を作り、多数に応じてもらえる。
これは、メルセナのような高位召喚士でも簡単ではない。
そうすれば、リオルにもきちんと意味が出る。
では、メルセナとリオルをどう結びつけるのか。
二人とも召喚士です。
ならば、召喚士が召喚士を召喚すればいいのではないか。
ここでようやく、本作タイトルの「召喚士が召喚した召喚士」にたどり着きました。
前作の『八重結び』に続き、今回も変な作り方をしている気はします。
気になったところを、仮説でもよいので詰めていく。
これはたぶん、私の癖です。
そして今回は、その癖をそのまま物語にしたような作品になりました。
この作り方は、おそらく好みが分かれると思います。
ただ、もし面白いと思っていただけたなら、とても嬉しいです。
リオルもメルセナも、そしてヴァルグも、ここからまた少しずつ変わっていくと思います。
引き続き応援いただけるとありがたいです。
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