創作実験 本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第9話 風情の正体 風情は手間がかかるウグイスが鳴く季節になった。朝になると、庭の木々の間から、よく通る声が聞こえてくる。うちの人間は、その声が聞こえるたびに窓を開ける。まだ朝の空気は少し冷たい。窓を開けたところで、部屋の中が寒くなるだけである。それでも人間は... 2026.08.03 創作実験本当に人間ってあさはかな生き物だよね
創作実験 本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第8話 ジジ様は何も変わっていない ジジ様が出る今日は金〇ロードショーの日である。うちの人間は、朝から何度もテレビの前を通るたびに番組表を確認していた。朝、肩へ落ちた髪をまとめながら一度。昼、飲み物を取りに来たついでに一度。夕方、薄い色の部屋着へ着替えてから、もう一度。放送さ... 2026.08.02 創作実験本当に人間ってあさはかな生き物だよね
創作実験 本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第7話 スズメたちの朝食会 気が向いたときだけうちの人間は、ときどき庭にスズメの餌をまく。毎日ではない。天気がよくて、朝少し早く起きて、なんとなく気が向いたときだけである。人間はそれを、スズメに餌をあげていると思っているらしい。シジミから見れば、ずいぶん無責任な話であ... 2026.08.02 創作実験本当に人間ってあさはかな生き物だよね
創作実験 本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第6話 声が大きいだけ 匂いで見る散歩シジミは散歩をしていた。いつもの道である。家を出て、角を二つ曲がり、低い塀の続く通りを歩く。塀の向こうには、それぞれ違う庭がある。花の多い庭。木ばかりの庭。人間が何に使っているのか分からない物を、いくつも積み上げている庭。同じ... 2026.08.02 創作実験本当に人間ってあさはかな生き物だよね
創作実験 本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第5話 この辺りで一番かわいい猫 この辺りの強い猫その猫は、ほかの猫とは明らかに違っていた。まず、毛の色が違う。全身を覆う毛は、黒でも白でも茶色でもない。日の当たり方によって灰色にも銀色にも見える、少し変わった色をしている。毛は短く、体へぴったりと沿っていた。体格も、ほかの... 2026.08.01 創作実験本当に人間ってあさはかな生き物だよね
創作実験 本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第4話 名前は統一してほしい 見回りは仕事シジミは散歩をしていた。いつも通る道である。家を出て、低い塀の横を歩き、角にある植木鉢の匂いを確認する。その先の空き地を横切り、日当たりのよい石の上で少し休む。気が向けば、さらに先まで行く。気が向かなければ、そこで引き返す。散歩... 2026.08.01 創作実験本当に人間ってあさはかな生き物だよね
創作実験 本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第3話 壁の中の黒猫 黒猫は別の猫うちの人間が本を読んでいる。題名は『黒猫』。表紙には、シジミと同じ黒い猫が描かれていた。もっとも、同じなのは毛の色くらいである。顔つきも違う。目の色も違う。耳の形も違う。黒い猫というだけでシジミと一緒にされては困る。人間は黒い猫... 2026.08.01 創作実験本当に人間ってあさはかな生き物だよね
創作実験 本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第2話 猫はドジではない かわいいで済ませる人間うちの人間が、テレビという絵の動く箱で猫の特集を見ている。画面には、さまざまな猫が次々と映し出されていた。段ボール箱の中へ入る猫。細い隙間から顔だけを出す猫。人間の膝の上で眠る猫。何もない壁を見上げながら鳴いている猫。... 2026.07.31 創作実験本当に人間ってあさはかな生き物だよね
創作実験 本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第1話 名前はもうある 貝ではない吾輩は猫である。名前はまだない。――ということはなく、シジミという名前がついている。うちの人間がつけた。シジミがまだ小さかったころ、黒い毛が貝殻のように見えたかららしい。シジミは本物のシジミを見たことがある。うちの人間が味噌汁を飲... 2026.07.31 創作実験本当に人間ってあさはかな生き物だよね
創作実験 勇者の条件 創作実験TOP異世界ファンタジー魔王勇者もの対勇者戦略にて勇者の誕生を阻止する作品紹介歴代魔王は、なぜ勇者に敗れたのか。城を固めても、国境を塞いでも、聖都を脅かしても、最後には勇者が玉座へ届く。ならば魔王軍が見るべきは、国ではない。勇者であ... 2026.07.30 創作実験勇者の条件