創作実験

本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第19話 再びスズメ

味をしめたスズメたち味をしめたスズメたちが、たびたび朝に来るようになった。以前、うちの人間が庭へ食事を置いた。正確には、食事を置いたつもりはないのかもしれない。余っていたものを、少しだけ庭へまいただけである。だが、スズメたちからすれば同じこ...
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本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第18話 精神年齢

三歳児なんだねえうちの人間が、光る板を見ながら言った。「猫の知能って、人間の三歳児くらいなんだって」長椅子で隣に座っていたシジミは、片方の耳を動かした。うちの人間は画面に書かれていることを読み続ける。「簡単な言葉を覚えたり、数を少し理解した...
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本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第17話 猫動画

あと一個だけうちの人間は、よく光る板で猫動画というものを見ている。長いものではない。ほんの少しだけ猫が歩く。跳ぶ。鳴く。箱へ入る。人間の手を避ける。食事を求める。それだけの短い映像を、次から次へと見続けている。一つ一つは短いのに、うちの人間...
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本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第16話 ラノベ

軽い小説うちの人間は、そこそこの読書家である。長椅子に座って読む。寝台へ寝転がって読む。温かい飲み物を片手に読む。風呂へ入る前に少しだけと言って読み始め、気づけば長い時間がたっていることもある。本を読みながら眠り、本の角を頬へ当てたまま朝を...
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本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第15話 犯人は医者だ

本を読む人間うちの人間は、そこそこの読書家である。毎日読むわけではない。忙しい日は、本を開いたまま眠っている。休日になると朝から読み始め、気づけば外が暗くなっていることもある。同じ姿勢で長いあいだ座り続けたあと、「肩が痛い」「目が疲れた」と...
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本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第14話 自分へのご褒美

自分へのご褒美うちの人間は、ときどき自分へ褒美を与える。誰かに褒められたわけではない。何かの勝負に勝ったわけでもない。決められた仕事を終えただけである。それでも、うちの人間は帰宅するなり、買い物袋をテーブルへ置いて言った。「今日は頑張ったか...
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本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第13話 細くなったわけではない

風呂の日週に一回のお風呂の日である。シジミは風呂が特に嫌いというわけではない。好きかと聞かれれば、別に好きでもない。体が濡れる。足元が滑る。普段とは違う匂いがつく。そのあと長い時間、毛を乾かされる。進んで入りたい場所ではないが、逃げ回るほど...
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本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第12話 紙を手に入れるために

給料入ったその朝、うちの人間は、いつもより少し機嫌がよかった。鳴る箱を三度も止めたことは、いつもと変わらない。布団から出るまでに長い時間がかかったことも、眠そうな顔で部屋を歩いていたことも同じである。だが、絵の光る板を確認した瞬間、急に目が...
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本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第11話 みかじめを出せ

細い路地うちの人間と細い路地を歩いていた。大きな道から一本入っただけなのに、車の音はずいぶん遠くなる。両側には古い家や小さな店が並び、壁と壁の間には、人間が二人並んで歩くには少し狭いくらいの道しかない。猫にはちょうどよい。車はほとんど入って...
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本当に人間ってあさはかな生き物だよね 第10話 昼間から遊び歩く人間

鳴る箱朝になると、うちの人間は大きな音で目を覚ます。枕元に置かれた小さな箱が、毎日ほとんど同じ時刻に鳴り始めるのである。うちの人間は自分で、その時間に鳴るようにしている。それなのに、音が鳴るたびに嫌そうな顔をする。布団の中から腕だけを伸ばし...